嘆息~ここは日本か?おかしなもんだ、まったく
仕事を終え、帰宅する。
食い物が、あった。
しかし、それはうどんか何かの麺が、椀に一杯盛られているだけだった。
俺は麺つゆを鍋で温め、その中に卵を二個割りいれ、麺を入れた。
ねぎの切れ端が、キッチンの上にあったので、それも入れる。
それが、俺の夕食だった。
娘とその母親は、何を食っているのだろうか。
刹那思い、すぐに意味のないことだと頭を振った。
考えたところで、俺の飯は、ひと椀のうどんだけだった。
数日前、冷蔵庫にチーズと茸があり、棚にはパスタが二袋ほど積んであった。
おそらくは、チーズたっぷりのパスタが出てくるはずだと思い、俺は期待していた。
しかし、俺の前に出てきたものは、ケチャップを振りかけただけの、ナポリタンだった。
冷蔵庫を開けてみると、チーズも茸も消えていた。
まあ、飯があるだけマシなのだ。
マヨネーズを振りかけた、飯を腹に詰め込むよりは。
そう、俺は自分に言い聞かせた。
その日、俺はすぐに眠った。
そして、悪夢とともに、三時間後に目を覚まし、バイトへ行く。
睡魔と空腹で、フラフラになりながら帰宅する。
俺はもう耐えられなくなり、自宅に車を止めたまま、その中で寝てしまった。
目覚めるなり、俺の頭の中を過ぎるのは、飯があるか、だった。
しかし、世の中、期待通りになったためしはなかった。
俺は、キッチンに何もない事を確認し、そのまま家を出た。
車の中。
ラジオからは、国会放送が流れていた。
与党側の質疑応答。
一人の議員が話しているのに、やたらとざわついていた。
そうだそうだ、とか、内容はよく聞き取れないが、野次や怒号が絶えない。
俺は嘆息した。
黙って聞いていられないのか。こいつらは?
日本って、一応は先進国だったよな?
以前、どこかの国で、議員同士が殴りあう映像を見て、呆れたものだが、
わが国も、似たようなものだろう。
人の話に割り込んで、野次ったり、喚声を上げるなんて、暴力に等しいんじゃないのか?
「先進国」を自負する国の指導者が、やることではなかった。
俺はそのとき、知った。
俺と社会をつないでいる数少ないもの。
行き帰りで、聴いているラジオ。
めったに出来ないが、深夜隠れて行うネット。
そして、このブログ。
それくらいのものだった。
今日は快晴だ。
フロントガラスから差し込む、秋の澄んだ日差しは、
どこかやわらかく、心の奥底に燻った郷愁を誘った。
この季節になると、昔のことをよく思い出すのはそのせいだろうか。
思わず涙が出そうになった。
楽しかったよな。
昔は。
友人に会いたくなった。
会って、馬鹿馬鹿しい話でもしたいところだ。
酒でも酌み交わしながら。
まあ、金も時間もないので、不可能なのだが。
そして俺は、
昼飯のことを、考え始めていた。
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