「おとうと」(11)(フィリップ短篇集より)
LE PETIT FRERE
——————————【11】—————————————————
La mère Boutet qui les attendait ne tarda pas
à venir. Le père Boutet la suivait. Il tenait dans
sa main droite une poignée de farine et, pour les
amuser tous, il la jeta la figure de la petite Alice.
..—————————— (訳)——————————————————
待ってくれていたブーテおばさんがすぐに出てきて
くれました.ブーテおじさんも、後からついてきまし
た.ブーテおじさんは右手に一握りの小麦粉を持って
いて、みんなを面白がらせるため、それを幼いアリス
の顔に投げかけました.
——————————《語句》——————————————————
poignée:(f) ひとつかみ、ひと握り、少量
farine:(f) (穀物の)粉、⦅特に⦆小麦粉
amuser:(他) 楽しませる、面白がらせる
jeta:(単純過去3単) < jeter (他) 投げる
figure:(f) 顔
Alice:(人名) アリス(女性名)
* 念のため、双書側の訳を見たところ、farine はメリケ
ン粉となっていました.メリケン粉を和仏で引き直すと
掲載なし.きっとこの頃は「小麦粉」と呼ぶようになっ
てきているようです.試しにネット販売の検索窓に「メ
リケン粉」といれると、「小麦粉」の商品ばかり出てきま
す.日本語が変わりゆく瞬間なのでしょうか.