5月25日 (土)

その2 【淡路島国際会議場 1日目の夜】


  さかのぼって、5月20日(月) 午後6時


森さん : 山田さん、交代で、食事に行きましょう。
      私と菊岡さんは、あとで、ゴタさんは、先に
      行ってきてもらえます?

山田  : あの、食事って、
      こんな高いホテルの夕食なんて、
      私には、そんな余裕ありません。


森さん : 支払いは会社もちですとも。
      ここに食事券があります。
      これをどうぞ。


山田  : 食事券って、どこの?
      え?ホ、ホテルじゃないですか!
      コッコラーレ。


森さん : ええ、カフェテリア形式のレストランです。
      じゃ、1時間交代で、お願いしますね。


   コッコッコッコッコココラ~レ  ひぇ~


   レストランの前で、メニュー書きを見るゴタ


山田   : ディナー・バイキング 
       おひとり様 3600円か。
うーん、会社も奮発したものだな。 


店員さん : いらっしゃいませ。どうぞ。 
何名様でしょうか?


山田   : ひとりです。(孤独の人生を送っています)
       この食事券って、
ディナー・バイキングの食事券ですか?

   
店員さん : はい、さようでございます。
どうぞ、ご案内いたします。こちらへ。


山田   : (す、すげえ・・・)


(  ゚ ▽ ゚ ;)

    それから食欲の進むこと、進むこと。
大皿3枚てんこもり。
ペロ。うろうろ物色。
ステーキを焼いているコーナーを見つけました。


山田 : それって、別料金とかじゃ、ないですよね?


コック
さん : はい、どうぞ。ご自由に。
     お入れいたしましょう。


    ステーキ2枚ゲット。
(それほど、大きくないので、普通の1枚分でした。)

ナイフとフォーク    


   山田は、仏教徒である。
仏教では、貧欲は、三毒のひとつで、
慎むべきものである。
   たとえば、3600円分食べた、
とか、そのような考えを固執とも、
貧欲ともいう。

   仏道修行は、ここを乗り切らなければ、
黒帯とはいえない。いえないのに、
   自称三段。ワイン

   4日間、毎晩
(24日の夜は、帰宅していたので4日間)
バイキングで、2,5kg太った。

   この内訳は、主にステーキである。
淡路牛である。淡路牛とは、
但馬牛の、出荷名である。
   神戸牛(これも、但馬牛)と同じく、
ブランドである。

   どう違うか?淡路牛は、近年、それまで、
但馬牛(淡路で育っても但馬牛の名だった)
   で、出荷していたが、品質がとてもよく、
神戸牛にひけを取らない、ということで、
   地元組合の働きかけで、ブランドとなった。

   
   午後7時、急ぎ足で、受付に戻る。
あ、忙し。(え?どこが?)

   森さんと、紅薔薇さんは、
   泊まりのホテルは、ここ、ウェスティン淡路です。
   ゴタは、このあと、
舞子まで、バスに乗って移動します。

   (そうか、そうだったのか!朝も、
舞子ヴィラホテルの食事券がでるのか。
    そしたら、ここのウェスティン淡路でもよかったのに。)


  【仏教の教えの声】  欲の皮が突っ張るゴタよ。
お前、三段だそうな?
             算段の間違えではないのか? 
             めしくう算段。
   

森さん : 山田さん。きょう、
このあと、舞子ヴィラに
      お戻りいただくのですが、
      ひとつ、お願いしたいことがあるのです。


山田  : はい?


森さん : 会議に参加の多くの外国人は、
もちろん、このウェスティン淡路の
      ご宿泊客なのですが、約50名が、
舞子ヴィラのお泊まりなんです。

      それで、バスを1台、
ロクマルのバスをチャーターしているのですが、
      それの添乗をして、
      ホテルに戻っていただけます?

      そして、すみませんが、明朝も、
午前8時に、ホテルから、こちらへ、バス添乗
      をして、戻って欲しいのです。


    ( そらなあ。せめて、
それぐらい仕事したらなあかんで。
森さんのパソコン眺める
      だけの仕事しかしてなかったし・・・ )


山田  : はい、わかりました。 
      肋膜のバスって、何です?


森さん : いえ、何でもありません。
      じゃ、よろしくお願いします。



     【舞子ヴィラホテルへ】


   午後8時、帝産バスが迎えに来ました。
山田、バスのドア前に立って、


山田 : This one is for the Maiko Villa Hotel.
     舞子ヴィラ行きですよ~。


お客 : Oh, thank you.
     おう、すまんのう。


山田 : Welcome back.
     お帰りなさいませ。


次の客: Thank you.
ありがとね。


  
  こんな風にして、44名が、ご乗車。
  山田は、添乗員。久々の添乗員。

  添乗員の仕事は、まず、乗車人数を数える。
数え方は自由。イーガ、リャンガ、サンガ
  でも、アン、ドゥ、トロワでも、お好きなように~おやしらず  

    但し、中国人に聞こえて、


     「イーガ レン」

    ですよ。と注意を受ける。


  【教訓】 知ったかぶりをすると、恥をかく。 



    次に、ステッカーボードをドアの方に、回す。

    そして、センディング・スタッフに、人数報告。
ドライバーさんに、出発を促す。
    次にすることは、マイクを持って、
おおまかな所要時間を言う。


山田 : It'll take, according to our driver,
40 minutes to get to the hotel.
At the hotel, please go ahead to go
to the reception desk by yourself
to make check-in.
     
 ドライバーさんの話では、ホテル着は、
40分後だろうとのことです。
      ホテルでは、みなさん自身で、
チェックインをお願いします。

And I have to explain the bus for tomorrow.
Tomorrow morning, our bus
starts at 8:00am in front of the entrance of the hotel.
Please be sure not to be late.
     
それで、明日のバスの説明なんですが、
明日のバスは、朝8時にホテル玄関前
     から出ます。遅刻せんといてね。 

     Well, we're goin' up to the express way.
Please put on the safety belt.
And keep to wear it till we are getting
out of the express way.
Thank you.
高速に上がりますよって、シートベルトたのんます。
高速降りるまで、着けて
     おいて下さい。ほなまた。


 ヽ(゚◇゚ )ノ

   そして、午後8時40分。ホテルに到着。

   山田、恐る恐る、部屋の鍵を開ける。
   電気をつけて、中に入る。

     「わ、広い!」

   ひとりには、もったいない。広い広い部屋です。
バスユニット。そして、長い机。
   約10畳の間には、ベッドがふたつ。
ひとりで、ふたつのベッドに寝なくてはいけないので
   とても忙しい。

   シャワーを浴びたら、続きの間。
ここは、畳の部屋。押し入れには、丹前ではなく、
   作務衣がありました。懐中ご本尊様にご挨拶。


    「 主よ、きょう一日、ご加護を下さり、
ありがとうございました。アーメン・・・
      違った・・・南無妙法蓮華経。おやすみなさいませ。」


  おしまい
  山田 錦