2012年   2月27日 (月)




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18世紀末  ヴァレンヌ


マリー
アントワネット: そうではない。
おかぼの稲を植えるのは、
         もっと深くするのじゃ。こうぞ。

御者     : 王妃さま、もう行きましょうよ。
         それに、こんな苗、
どこから持って来たのですか? 
         オーストリアのご実家に早く、行かないと、
         お兄様のヨゼフさまが、
         お待ちかねでございますよ。


マリー
アントワネット: ああ、そうであった。
         我々は、オーストリアの実家に
行く途中であった。
         わはははは。 


ルイ16世  : おい、隠れろ。
追っ手の者たちがやってくるぞ。


御者     : みなさん、馬車の中に隠れましょう。


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 田んぼの真ん中に、
馬車がポツンと一台、止まっています。


追っ手の
者たち   :  わはははは。
こんなところに隠れても、無駄だ。
         さあ、王様、パリに帰りましょう。


馬車の中  :  ・・・・・・・・・・・・・・・


  追っ手のひとりが、馬車の扉を開けます。


追っ手の
ひとり   : さあ、帰るのです。王様。
        あれ?いない。 どこ行ったんだ?


他の
追っ手たち : おい、どうしたんだ? 
早く王様とお后を捕まえろ。


追っ手の
ひとり   : それが、いないんだ。


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  追っ手たちが立ち去りました。


御者   : もう大丈夫でございますよ。

マリー
アント
ワネット : おお、助かった。
屋根裏に隠れ場所があるなんて、
       すごくよく出来た馬車ではないか。

ルイ
16世  : 全くだ。捕まっていれば、
       ギロチンにかけられるところであった。
       命びろいをしました。


御者   : しかし、王様、私の占いによれば、我々は、
       ここで捕まることになっていたのです。
       今後も、ご注意下さい。
       さあ、オーストリアへ、急ぎましょう。

 
    つづく