2010年 6月20日(日)

【2010年の数か月は、タクシー兼業でした。】
 



【タクシーの中で】車

 
「 あんた、おばあちゃんに、
何の本、買うてもろたんえ?」


「 これ!」



「 何?猫の気持ちが、わかる本?」



「 お客さん、
  話の途中で、すみません。
  もう、そこ、別当町ですし、
  あと、どう行けば、
  よろしいですか?」


「 左に、ドンクがあるから、その前で、
止めてもらえます?
あっ、そこでいいです。
ありがとう。 
えーと、
2520円なあ。はい、ほな、これ。」



「 ありがとうございます。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・


「 あっ、山田さん、
  こんなとこで、何してはりますねん?
 みんな、探してましてんで。」



「 え?何ですのん?」



「 テレビの収録取材ですよ。
  早く行きましょう。
  もう、みんな、東大寺で、待ってますで。」



 「 えっ?。東大寺?」



 「 先日、申し上げました例の水曜スペシャル


  ヾ(@^▽^@)ノ


 【仏像の気持ちがわかる男、巨匠・山田錦】

 の収録は、きょうなのですよ。」



ヾ(@°▽°@)ノ



 【東大寺にて】


テレビ局スタッフ。


 「 あ、山田さん。
   待ってました。始めましょう。」



 アナウンサー。


「 さあ、テレビの前のみなさん、
  今夜は、仏像の気持ちがわかる、不思議な、
 パワーの持ち主、ゴタさんに、
 おいでいただきました。
 では、さっそく、
 ご紹介しましょう。山田さん、どうぞ。」



「 あ、どうも。」



「 さっそく、ですが、ゴタさん、
 今、この奈良の大仏さんは、
 どんな気持ちでいるのか、
 その気持ちを、聞いていただけますか?」



「 はい、今、この大仏さんは、ちょっと、
  背中がかゆいので、掻いてほしいと、
 言っています。」



「 わかりました。では、スタッフの方。
  ハシゴの用意を、お願いします。・・・



 さあ、今、ハシゴが懸けられました。
 お坊様が、熊手をもって、登り始めました。
 ・・・・
 そして、・・
 そして、今、仏像の、背中を、掻き始めました。
 ゴシゴシ掻いています。

 ああっ。ご覧ください。
 不思議なことに、仏像の、
 表情が、少し変わりました。

 気持ち良さそうです。
 奈良の仏像、恍惚とした表情に変わりました。
 これは、すごい。
 山田さんの、超能力は、すごいです。」



「 こちら、スタジオです。
  さあ、スタジオには、
  菅首相に、お越しいただきました。
 首相より、山田さんに、国師号が、贈られます。」



 「 山田さん。山田さん。ドン、、ドン、いいですか?」

 ・・・・


「 運転手さん、いいですか?
 すみません、おやすみのところ。」



「 あっ、ああ、夢だったか。あ、お客様、どうぞ。」



「 祇園まで、おねがいします。」
・・・ところで、運転手さん、何の夢を
   見てはりましたの?」



「 はあ、それが、山田国師になった夢で、国師って、
   何のことか、わからん。
   国民栄誉賞の方が、よかったのに!」



「 国師って、夢想国師みたいな?」 



 「 さあ、私は、国士無双なら、
   何度か、上がったことありますけど。」 



「 それって、麻雀のことですか?」



 「 そうです。でも、もう、昔の話です。



 「 うーん、麻雀で、国民栄誉賞は、
   ちと、難しいんちゃいまっか。」


  
 「 そんなん、
   私は、望んでいませんよ。変な夢だったなあ。」

   


───────

──────────────────────────
山田 錦