2010年8月27日(金)
【ロンドンからのお客様】
昨日(26日)、高台寺玉半旅館からの、
電話依頼を受けて、きょうは、ルンルン鼻歌まじり。
朝9時30分のお迎えです。
きょうのタクシーは、都タクシーを利用します。
お客様は、ロンドンからお見えのご夫婦です。
奥様は、18歳・・・じゃない、
奥様は、魔女・・・じゃない、
奥様は、クリスティナ・ファットーリ様。
英語の名前じゃないな、と思ったので、
聞いてみると、家系は、イタリア出身だと言います。
(オーソーレ・ミーロー) と、
わけのわからん歌を腹で、歌います。
さて、荷物をトランクに、積み終わったところで、
前日に用意した、日程表を見せる。
やや、ご不満の様子。
「We'd like to see more the rock garden.」
(ロック・ガーデンをもっと、見てみたい。)
という。
それは、かまわないが、
どんなロック・ガーデンのことだろう?
と、訝しげに思いつつ、
イエス、イエス。ロックガーデン。
レッツラゴー、ゴーゴー。と、安請け合い。
なんて、ええかげんな、ガイドだろう。
と、自分で、自分を蔑む。
午前9時30分。何はともあれ、
宿の人たちが、見送る中
高台寺、下川原通を出発です。
行き先は、二条城。
(なるほど、ここの庭には、作事奉行、
小堀遠州の、作庭した、
ロック・ガーデンが、確かにある。)
二条城には、我らが
都・タクシーの運転手さんの、
専用駐車スペースが、ある。
自分が、運転手でないから、
ずっと、クーラーを、かけていてもらえる。
こんな暑い日には、助かる。
ここで、タクシーの運転手さんから、要望です。
「お客さん、観光でしたら、
貸し切り料金で、頼みます。」
「えー?そんなの、
今更、言ってもらってもぉ。」
そうです。私は、5000円を越えたメーターは
半額になるというタクシーを選んで乗ったのです。
京都のタクシーは、本当に安いです。
朝から、夕方まで、実に、7時間も乗って、
支払いは、11430円でした。そりゃ、そう
言いたくなりますよね。貸切料金にしてくれってね。
因みに、貸切料金は、
1時間当たり、3320円です。
まともに、料金を支払えば、
7.5×3320=24900
24900円ですものね。
タクシーは、この後、2度、乗り換え、
それぞれが、800円と、900円。
タクシー代合計は、13130円、
車付きガイド、
1日3万円の売り込みは、今も有効のようである。
午後3時半に、タクシーは、帰って行きました。
都タクシーの乗務員さんが、
「堪忍してくれ。」
と、音を上げてしまったので。
ゴタは、鬼の客。ああいやだ。
みなさん、こんな悪い客にならないようにね!
でも、それでも、
今度、奈良・大阪・神戸と周遊する観光が、あるときに、
また呼んでくれ、と言うので、お名刺いただきました。
⏁⏁⏁
二条城、二の丸御殿にて。
大広間、大政奉還の様子を、人形で、再現しています。
「What are these dolls for ?」
(何これ?)
「 They depict the proclamation of the Return of Political Rule to the Emperor.」
(これは、大政奉還の様子です。)
「Shogun and his subordinates,right?」
(将軍と、配下ね?)
「Yes.they are.」
(はーい。)
「Oh, Page boys ! 」
(小姓もいるわ。)
「Yes. And look at the panels beside Shogun.
There is another room behind the panels
where the guards hid themselves to protect
Shogun in case anything happened.」
( そうです。将軍の横のふすま戸をご覧下さい。
その裏に部屋があって、
護衛の武士が、身を隠していました。)
【黒書院】
黒書院へ、向かいます。歩くたびに、
廊下が、キュキュと、きしみます。
我らがお客様、大喜びです。
なぜなら、お客様のガイドブックには、
そのように、解説されていましたので。
つまり、
As a safeguards against treachery,
Ieyasu had the interior fitted with 'nightingale'
floors.
(背信行為からの、警備手段として、
家康は、「うぐいす張り」の廊下をしつらえました。)
えっ? なぜ、知っているかって?
同じガイドブックを、持っているからだ。
曰く、敵を知り、己を知らば、百戦危うからず。
とは、言うものの、いつも怪しげな、案内のゴタ。
みなさま、lonely planet社の
「Japan」
は、必携ですぞ。
たいていの、外国人観光客が持っているのは、
このガイドブックであります。
しかも、彼らは、このガイドブックを、
聖書のように、信頼しておいでです。
これに違う案内をすれば、すぐに、
「Oh, That is different
from what I 've read so far.」
(あら、読んだのと、違うわね。)
という手裏剣が、飛んで来ますよ。
手裏剣は、あの青い表紙のガイドブックから、飛んでくる。
⏁⏁⏁
ヾ(@^▽^@)ノ
白書院を出て、外の廊下を右手に進みます。
再度、入ったところに、牡丹の絵。白い牡丹です。
「Standing, she looks like a tree peony,
sitting,like a peony and walking, like a lily.」
(立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。)
という諺があると、説明。
しかも、タイミングよく(悪く?)、奥方が、
こちらを振り向いたときに、言ったものだから、
「Like you ! 」
(あなたのように。)
と、修飾語尾を付け足した。
何にも出ませんでした。
⏁⏁⏁
【金閣寺にて】
入ろうとすると、呼び止められました。
「ちょっと、入場券を見せてください。」
お客様、お札をしまい込んでいました。
「Sorry. I didn't know this was the ticket.」
(すみません。これって、入場券だったのね。)
「Yes. and doubles as a talisman.」
(そうです。護符も兼ねてます。)
「Wonderful.」
(いいわね。)
⏁⏁⏁
金閣寺が見えました。
(さあ、説明開始!)
勇み足、というか、勇み声で、始める。
「一層は、法水院で、平安様式の寝殿造り。
二層は、潮音洞といい、観音像御安置の場。
三層は、ああで、こうで、こうなんですよ。」
と、英語での説明をがんばります。
同じく、英語で、うなずきの返事が、返ります。
(何か、おかしいな)、
と振り返ると、よその外国人です。
(あらら、まあ、ゴタのお客様はどこ?)
見渡せば、ご主人は、一番奥で、写真撮影に、忙しそうです。
(えーと、奥様は、どこかしらん?)
と、また、見渡すと、
こちらは、入り口近くで、
これまた、写真をカシャカシャ。
ここは、ご夫婦で、
一緒に立ったところを、写すのが、定番なのに。
ひとり、ボケー、としていると、
「すみません。シャッターを押して
いただけますか?」
「はい、いいですよ。」
ひとつが、終われば、またひとつ。
私ゃ、写真屋か!もう、いや。
⏁⏁⏁
【竜安寺にて】
お客様の、第一希望の、石庭に、やって参りました。
ベランダに、座って、しばし、瞑想に、ふけりましょう。
ああ、でも、きょうの、この暑さといったら、
とても、瞑想に、入る気分じゃありません。
南側の庭の、暑いこと、そそくさと、
北側のベランダに、移りました。
定番説明の、つくばいが、あります。
「The Chinese character put upper,
assorted with the square pool in the center,
can be read as "ware" which means
"I "
in English.
Then, the square part that is
representative of a mouth and the right part
form another Chinese character meaning
"only ".
And the more other letter meaning
" satisfaction "
consists of the center square and down part.
And finally, the center pool,
coupling with the left letter
makes a meaning of
" know ".
Altogether,they read as
"I only know the satisfaction."
And this teaching is derived
from a Buddhist holly sutra .」
(上の漢字と真ん中の四角で、
われ、つまり、英語で、私 と読めるのです。
そして、四角の部分は、口というのを
言い表していまして、右の部分と併せて、’唯’
の意味です。
次に、さらに、満足という意味の字が、
真ん中の’口’と、下の部分で、構成されます。
最後に、真ん中の’口’は、左の字と、
ペアで、’知る’という意味の漢字になります。
結局、全体で、我、唯、足るを知る。と読めるのです。
そしてこの教えは、仏典から、来ているのです。)
お客様、大きく、うなずかれました。
ヾ(@^▽^@)ノ
⏁⏁⏁
【仁和寺にて】
はじめ、天龍寺を予定していましたが、
竜安寺の近くに、見学出来る寺院は、ありますか?
という、ご夫妻のリクエストにお応えして、
そして、乗務員さんのおすすめもあって、
ここ、御室の、仁和寺に、やって来ました。
発願は、光孝天皇。
これが、仁和2年(886年)だったことから、
仁和寺と称する、とか。
天皇は、寺の竣工を見ずに崩御。
その意志を継いだ宇多天皇が、
仁和4年(888年)寺を創建し、開基となる。
寺は、始め西山御願寺と名乗ったが、
後に、光孝天皇在位の年号を取って、仁和寺とした。
御室の八重桜は、有名ですが、残念ながら、
今の季節、ただの、低木です。
ヾ(@^▽^@)ノ
まず、御室御殿に入ります。
開基である宇多天皇を始め、
代々天皇が、執務を執った門跡寺院の御殿です。
御殿の廊下を、進んでいった中程に、
お抹茶が、頂ける部屋が、ありました。
「Would you like to try it ? 」
(いかがですか?)
「We will.」
(そうしますわ。)
畳の上に座るか、テーブルで、頂くか?
どっちが、いいかと、係の人が、尋ねます。
テーブルが、いいと、おっしゃいます。
500円也。
旦那様が、お支払い下さいました。
ありがとうございます。
お菓子を見て、
「Any suitable timing
that we eat this sweets?」
(これは、いつ食べるのだ?)
「Oh, unlike tea or coffee you have in Europe ,
the powdered green tea we are going to have is
tasted a little bitter because of no sugar.
This sweets serves as a kind of sugar
separately set outside.
So eat first so that
the bitter tea goes well in your mouth.」
(そちらのお国の紅茶や、コーヒーと違って、
お抹茶は、お砂糖を入れないので、苦いです。
お菓子は、お砂糖代わり。
苦いお茶と、合うように、今、お口にどうぞ。)
お茶が来ました。クルクルと、茶器を手のひらで、
回転させて、お客様の前に出されました。
「 Why is it? Is she casting
a spell or anything ?」
(何かの、おまじないかね?)
「 Not at all. She's turning the cup so that
she could serve it with its front faced on you.
It's a polite way of serving the tee.
At a tea ceremony, it is a matter of course. 」
(違うんです。器の正面が、あなたの方に、
向くように、回したのです。丁寧なお給仕ですよ。
茶道では、当たり前のことです。)
床の間の、掛け軸を、じっと、ご覧でした。
漢文でしたので、ゴタも読めません。
でも、サービス精神だけは、
旺盛なので、無理して、解説を施した。
漢字は、10ほどありました。その中に、
「茶」の字と、「友」の字が、あったので、
『お茶は、友達。』
と、書いてあります。
とまた、ええ加減な、ガイドをしてしまいました。
(^_-)☆
⏁⏁⏁
お客様は、庭が、お気に入りのご様子でした。
少し歩いては、「ワンダフォー」、
また少し歩いては、「ビュータフォー」、
「スプレンディド」、 「ワァオー」。
じっと、立ち止まって、動きません。
ガイドは、もう、話すネタが、尽きています。
こちらも、一緒に、ただ、ッボケーっと、立っているだけ。
まあ、喜んでもらえれば、いいのだ。
と、自分に言い聞かす。
⏁⏁⏁⏁
【お昼ごはん】
お昼は、時間節約のため、
コンビニで、おにぎりと、お茶を買いました。
奥様、スポーツ・ドリンクを指さし、
「これは、水か?」
と、お聞き。
「No,it's a sports drink.」
(スポーツドリンクだ。)
«この英語は、通じなかった。»
「What?」 (何て?)
「Water with special drag inside.」
(特殊な薬が、入った水だ。)
«苦し紛れに出た言葉でした。»
⏁⏁⏁
【車中にて】
「Please show us how to unwrap the rice ball !」
(このおにぎり、どうやって、取り出すの?)
そんなことだろうと思い、
ゴタも同じ、おにぎりを買っていました。
「Please do like I do.」 (いいですか?)
「First、pull top. 」 (上を引いて。)
「Then, pull at no.2-part.」 (2を引き。)
「And pull the other side.」
(あと、反対側を引きます。)
Seeing is believing. 見ることは、信じること也。
⏁⏁⏁
【嵯峨野にて】
車中、竹林の話が出たので、
天龍寺をカットして、竹林の中へ。
ここも、当たり。
お二人とも、それぞれのカメラで、
忙しく、カシャ、カシャ。
ただ、ひとつ聞かれたことは、
「この竹、何に使うの?」
「これは、・・・・・・」
(「竹刀なんだけど。)
この英語が、出てこない。
勉強不足ですぅ。すみません。
お客様、助け船を、出して下さいます。
「sword?」
(刀?)
「Yes, but, not exactly.
They use it for practice.」
(そうなんですが、
そうじゃなくて、練習用なので・・)
⏁⏁⏁
【祇王寺にて】
「 This is a hermitage built
as nunnery in the Heian era.
A famous tale called
"The Tale of the Heike"
depicts a shirabyoshi dancing girl
who built this hermitage.
Kiyomori , grand minister
and top general governor,
once loved a shirabhyoshi dancing girl
whose name was Gio. But , Gio aged 21,
was soon abandaned
when a younger shirabyosi dancer
called Hotoke-gozen appeared.
Feeling vanity in life, Gio retired from
the world to be a nun,
And built this nunnery.
Her mother, Toji, and her sister,Gijo,19,also
followed her to be Buddhist nun.
Later, Hotoke-gozen visited this house asking
if she could be a nun as well because
she ,too,felt the vanity in life.
She said next might
be her turn to be discarded.
Then they altogether led hermit life
here practicing the Buddhist way. 」
(これは、平安時代に、
尼僧院として、結ばれた庵です。
平家物語に、この庵を結んだ、
白拍子の女性のことが、描かれています。
平清盛が、祇王(21歳)という
白拍子を、愛顧しました。
しかし、仏御前という、より若い、
17歳の白拍子が、現れると、
祇王は、見捨てられます。
無常を感じた祇王は、尼僧となり、隠遁しました。
そして、ここに、庵を結び
同じく出家した、母の刀自と、
妹の祇女と、ともにひっそり暮らしました。
そこへ、仏御前が、訪ねてきます。
彼女自身も、無常を感じた、といいます。
自分も、やがて、同じ憂き目に、
会うかも知れない、そういうのです。
そして、ともに、仏門に入り、
尼僧になると、いいます。
そして、彼女たちは、
ここで、一緒に、御仏に仕えました。)
⏁⏁⏁
【銀閣寺にて】
「なぜ、銀が、施されていないのですか?」
当然、そう聞かれます。応仁の乱が、あって、
財政、逼迫の折り、そのような、贅沢は、許されません。
簡単に、そう説明しています。
しかし、実際のところ、義政は、もとより、
そのような、気はなく、幽玄の境地を享受していたようです。
銀閣、という呼び方も、後の世に、
そう呼ばれるようになったとか。
さて、銀閣寺でも、ボロが、出てしまったこと。
それは、ちょうど、セミが、鳴いていたときのこと。
お客様。林の小道で、おもむろに、歩みを止めて、
「Look. There are sounds coming from above. 」
(ほら。何か聞こえるわ。)
ミーン ミーン・・
それは、ミンミンゼミの鳴き声でした。
ところが、そこは、無知で、無教養のゴタ。
ミンミンゼミを、英語で、言えない。
そこで、とりあえず、セミだ、と、言おうとしたのですが、
ああ、そう、言おうとしたのですが、
あいにく、「杉の木」と、混同していたようです。
「Oh, That's a cedar.」
«セミだ、と、言おうとしていた。»
(杉ですよ。)
「No, no it's a sound of an insect.」
(違うわよ。昆虫の声よ。)
このやりとりを、3回、繰り返した。
4度目に、ようやく、何か、おかしいことに、気がついた。
そうだ。セミは、cicada だ。
気がついたときには、もう、銀閣寺の出口、休憩所でした。
おなかの中で、ひっそり、歌いました。
「遅かったのかい~。」
⏁⏁⏁⏁
今、遅まきながら、和英に当たっています。
ミンミンゼミは、
「 a robust cicada 」
なのだそうです。
⏁⏁⏁
タクシーは、銀閣寺に着いたときに、
乗り捨てていました。
銀閣寺から、法然院まで、歩きます。
暑いのに、なぜ歩いたか。それは、簡単。
タクシー乗り場まで、歩く距離で、
ほとんど、着いてしまうから。
「Let's walk running sweat on our face.」
«ユーモア表現につき、和訳不可»
(汗を、かきかき、歩きましょう。)
(汗は走る。我等は歩く。顔の上かな。)
と、言ったら、バカ受け。大笑いとなりました。
⏁⏁⏁⏁
【法然院にて】
山門の前に、
【くん辛酒肉、山門に入るを許さず】
と、あります。
No garlic , no alcoholic drink , no meat.
これを、説明しようと、思ったが、止めた。
最後の、肉、が、どうも、気になった。
肉つきのいい女性に、いうのは、不謹慎だ。
山門は、茅葺きです。
30年に、一度、吹き替えるのだそうです。
山門の説明をしていると、
ご夫婦は、写真を写し始めました。
「Do I make myself an obstacle to you ?」
(私、邪魔ですかね?)
といって、山門から、離れると、
「Thank you !」
の声が、反対方向から、しました。
見ると、別の、カップルが、
山門の内側から、撮影しています。
⏁⏁⏁
門を入り、境内を進みます。
左右に、積み上げられた、砂の山。
「What are the sand monuments for ?」
(何なんですか、この砂の山は、?)
「They put there the sand mounts for purification.
originally, salt was put on both side of the path.
In the course of time, sands substituted for salt.」
(砂は、お清めのためです。
もともと、塩が、この両側の積み上げられていたのですが、
いつのまにか、塩の代わりに、砂を積むようになりました。)
本堂の、御内陣には、
季節の花が、撒き散らされているのです。
と、説明はしたものの、
午後4時現在、本堂は、入場終了となりました。
(遅かったのかい~) 腹は、歌いました。

⏁⏁⏁
法然院は、昨年、ひとり研修で、来たところ。
あのときは、市バスに乗っていたのです。
そしたら、アナウンスが、
「次は、豊年委員長、豊年委員長。」
と、いっているでは、ありませんか!
びっくりしました。
どんなところだろうと、思って、バスを降りてみた。
そしたら、
「法然院町」
の聞き間違いだったんですね。
⏁⏁⏁
さて、法然院から、移動です。
タクシーを拾うため、大通りを目指します。南へ、10m
歩いたところに、なつかしいヤサカタクシーが、やって来た。
「すみません。平安神宮まで、お願いします。」
ブルルルン。出発-。
⏁⏁⏁
【平安神宮にて】
応天門で、お写真です。
立っていると、係員が、
「閉めますので。」
どけ、と言います。
(ええ、もう、閉門なのかな?)
と、心配していたら、お客様のほうが、詳しい。
「That's OK. The shrine opens until 6:00.」
(大丈夫。6時までですよ。)
《ロンリープラネット》
という外国人用のガイドブックがあります。
それは、日本を観光する、外国人には、聖書のような、存在。
お客様、それを見ながら、ゴタに説明。
どちらが、ガイドなんだか。
(ゴタ、クビやで。しっかりせい!)
聖書には、かないません。
応天門を入ると、左前方に、
手水舎が、あります
「 Before meeting gods,
we must purify ourselves.
It's essential to observe etiquette.」
(エチケットですから、
参拝の前に、お清めをしましょう。)
⏁⏁⏁
【本殿前にて】
ガードマンが、やって来て、お客様に、
何やら、文句を言っています。それも、怖い顔をして。
本殿で、写真を写すな、と言っています。
こんどは、山田に向かって、
「あんた、ガイドやろ。ちゃんと、ゆうとけ。」
山田、これには、頭に来た。切れた。
よくも、私の大事な、お客様を、
わけの、わからん日本語で、困らせてくれたな。
お礼をして、差し上げるぞ。
「お前こそ、もっと、普通に、もの、ゆわんかい。」 ヽ(`Д´)ノ
このごろ、カラオケに行っていないので、久々に、大声を、張り上げた。
ガードマンは、行ってしまいました。
国際観光地なんだから、カメラが、だめなのなら、
英語で、目立つところに、注意書きしておけば、いいのに。
注意するガードマンは、
もっと、ジェントル・マンを常備させなくては。
日本の恥だ。 全く!
平安神宮さん、改善をお願いします。
⏁⏁⏁
「Let's forget it.」
(気にしないで下さい。)
そう言って、説明を再開。
「 The reason why they reduced the shrine to
five 8th the size of the original one
is due to the Sino-Japanese war that arose 1894.
It's a budgetary problem.」
(8分の5に、縮小されてしまったのは、
日清戦争のためで、予算に問題が、あったからです。)
(*^o^*)
⏁⏁⏁⏁
庭園に入ります。
庭園は、
南神苑、西神苑、中神苑、東神苑
の4つで、なっています。
とくに、美しいのは、
御所から、移築した、建造物の多い、東神苑です。
お客様の感嘆の声を聞いて、うれしくなりました。
東神苑で、別の英語のグループと、重なる。
泰平閣で、
「Would you take a photo of us ?」
(写真撮ってもらえます?)
「Sure.」
(オーケー)
きっと、留学生チームなんだろう、
欧米人と、東洋人の混合グループ
と、合流したかっこうに、なりました。
⏁⏁⏁
さて、時刻は、午後5時を回りました。
5時30分が、ガイドの終了時刻です。
大鳥居を見て、帰りましょう。
と、言ったものの、タクシーに、乗った場所が悪く、
冷泉通りで、東山通りに出て行ってしまいました。
そして、川端通り、御池通りと進み、
目的地の、お宿、「柊家」に、
午後5時30分、到着しました。
別れしなに、握手です。
Thank you for today. It was a wonderful day
that I shared with you. Thank you again.
Please come back some day to call me again.
きょうは、ありがとうございました。
ご一緒できて、たのしかったです。
また、来てください。
⏁⏁⏁
お客様、あさっては、東京見物だそうです。
ガイドが、いればいいな、とおっしゃるので、
東京都内のゴタの、GICSS同期生に、連絡。
だめなんだって。
東京のガイドさんは、忙しいみたいです。
うらやましいなぁ!
ところで、後日、先輩から教えていただいたところ、
スポーツドリンクは、アメリカ人なら、
drink like getorade
と言ってます。
とのことでした。
山田 錦(ゴタ)

【ロンドンからのお客様】
昨日(26日)、高台寺玉半旅館からの、
電話依頼を受けて、きょうは、ルンルン鼻歌まじり。
朝9時30分のお迎えです。
きょうのタクシーは、都タクシーを利用します。
お客様は、ロンドンからお見えのご夫婦です。
奥様は、18歳・・・じゃない、
奥様は、魔女・・・じゃない、
奥様は、クリスティナ・ファットーリ様。
英語の名前じゃないな、と思ったので、
聞いてみると、家系は、イタリア出身だと言います。
(オーソーレ・ミーロー) と、
わけのわからん歌を腹で、歌います。
さて、荷物をトランクに、積み終わったところで、
前日に用意した、日程表を見せる。
やや、ご不満の様子。
「We'd like to see more the rock garden.」
(ロック・ガーデンをもっと、見てみたい。)
という。
それは、かまわないが、
どんなロック・ガーデンのことだろう?
と、訝しげに思いつつ、
イエス、イエス。ロックガーデン。
レッツラゴー、ゴーゴー。と、安請け合い。
なんて、ええかげんな、ガイドだろう。
と、自分で、自分を蔑む。
午前9時30分。何はともあれ、
宿の人たちが、見送る中
高台寺、下川原通を出発です。
行き先は、二条城。
(なるほど、ここの庭には、作事奉行、
小堀遠州の、作庭した、
ロック・ガーデンが、確かにある。)
二条城には、我らが
都・タクシーの運転手さんの、
専用駐車スペースが、ある。
自分が、運転手でないから、
ずっと、クーラーを、かけていてもらえる。
こんな暑い日には、助かる。
ここで、タクシーの運転手さんから、要望です。
「お客さん、観光でしたら、
貸し切り料金で、頼みます。」
「えー?そんなの、
今更、言ってもらってもぉ。」
そうです。私は、5000円を越えたメーターは
半額になるというタクシーを選んで乗ったのです。
京都のタクシーは、本当に安いです。
朝から、夕方まで、実に、7時間も乗って、
支払いは、11430円でした。そりゃ、そう
言いたくなりますよね。貸切料金にしてくれってね。
因みに、貸切料金は、
1時間当たり、3320円です。
まともに、料金を支払えば、
7.5×3320=24900
24900円ですものね。
タクシーは、この後、2度、乗り換え、
それぞれが、800円と、900円。
タクシー代合計は、13130円、
車付きガイド、
1日3万円の売り込みは、今も有効のようである。
午後3時半に、タクシーは、帰って行きました。
都タクシーの乗務員さんが、
「堪忍してくれ。」
と、音を上げてしまったので。
ゴタは、鬼の客。ああいやだ。
みなさん、こんな悪い客にならないようにね!
でも、それでも、
今度、奈良・大阪・神戸と周遊する観光が、あるときに、
また呼んでくれ、と言うので、お名刺いただきました。
⏁⏁⏁
二条城、二の丸御殿にて。
大広間、大政奉還の様子を、人形で、再現しています。
「What are these dolls for ?」
(何これ?)
「 They depict the proclamation of the Return of Political Rule to the Emperor.」
(これは、大政奉還の様子です。)
「Shogun and his subordinates,right?」
(将軍と、配下ね?)
「Yes.they are.」
(はーい。)
「Oh, Page boys ! 」
(小姓もいるわ。)
「Yes. And look at the panels beside Shogun.
There is another room behind the panels
where the guards hid themselves to protect
Shogun in case anything happened.」
( そうです。将軍の横のふすま戸をご覧下さい。
その裏に部屋があって、
護衛の武士が、身を隠していました。)
【黒書院】
黒書院へ、向かいます。歩くたびに、
廊下が、キュキュと、きしみます。
我らがお客様、大喜びです。
なぜなら、お客様のガイドブックには、
そのように、解説されていましたので。
つまり、
As a safeguards against treachery,
Ieyasu had the interior fitted with 'nightingale'
floors.
(背信行為からの、警備手段として、
家康は、「うぐいす張り」の廊下をしつらえました。)
えっ? なぜ、知っているかって?
同じガイドブックを、持っているからだ。
曰く、敵を知り、己を知らば、百戦危うからず。
とは、言うものの、いつも怪しげな、案内のゴタ。
みなさま、lonely planet社の
「Japan」
は、必携ですぞ。
たいていの、外国人観光客が持っているのは、
このガイドブックであります。
しかも、彼らは、このガイドブックを、
聖書のように、信頼しておいでです。
これに違う案内をすれば、すぐに、
「Oh, That is different
from what I 've read so far.」
(あら、読んだのと、違うわね。)
という手裏剣が、飛んで来ますよ。
手裏剣は、あの青い表紙のガイドブックから、飛んでくる。
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ヾ(@^▽^@)ノ
白書院を出て、外の廊下を右手に進みます。
再度、入ったところに、牡丹の絵。白い牡丹です。
「Standing, she looks like a tree peony,
sitting,like a peony and walking, like a lily.」
(立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。)
という諺があると、説明。
しかも、タイミングよく(悪く?)、奥方が、
こちらを振り向いたときに、言ったものだから、
「Like you ! 」
(あなたのように。)
と、修飾語尾を付け足した。
何にも出ませんでした。
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【金閣寺にて】
入ろうとすると、呼び止められました。
「ちょっと、入場券を見せてください。」
お客様、お札をしまい込んでいました。
「Sorry. I didn't know this was the ticket.」
(すみません。これって、入場券だったのね。)
「Yes. and doubles as a talisman.」
(そうです。護符も兼ねてます。)
「Wonderful.」
(いいわね。)
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金閣寺が見えました。
(さあ、説明開始!)
勇み足、というか、勇み声で、始める。
「一層は、法水院で、平安様式の寝殿造り。
二層は、潮音洞といい、観音像御安置の場。
三層は、ああで、こうで、こうなんですよ。」
と、英語での説明をがんばります。
同じく、英語で、うなずきの返事が、返ります。
(何か、おかしいな)、
と振り返ると、よその外国人です。
(あらら、まあ、ゴタのお客様はどこ?)
見渡せば、ご主人は、一番奥で、写真撮影に、忙しそうです。
(えーと、奥様は、どこかしらん?)
と、また、見渡すと、
こちらは、入り口近くで、
これまた、写真をカシャカシャ。
ここは、ご夫婦で、
一緒に立ったところを、写すのが、定番なのに。
ひとり、ボケー、としていると、
「すみません。シャッターを押して
いただけますか?」
「はい、いいですよ。」
ひとつが、終われば、またひとつ。
私ゃ、写真屋か!もう、いや。
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【竜安寺にて】
お客様の、第一希望の、石庭に、やって参りました。
ベランダに、座って、しばし、瞑想に、ふけりましょう。
ああ、でも、きょうの、この暑さといったら、
とても、瞑想に、入る気分じゃありません。
南側の庭の、暑いこと、そそくさと、
北側のベランダに、移りました。
定番説明の、つくばいが、あります。
「The Chinese character put upper,
assorted with the square pool in the center,
can be read as "ware" which means
"I "
in English.
Then, the square part that is
representative of a mouth and the right part
form another Chinese character meaning
"only ".
And the more other letter meaning
" satisfaction "
consists of the center square and down part.
And finally, the center pool,
coupling with the left letter
makes a meaning of
" know ".
Altogether,they read as
"I only know the satisfaction."
And this teaching is derived
from a Buddhist holly sutra .」
(上の漢字と真ん中の四角で、
われ、つまり、英語で、私 と読めるのです。
そして、四角の部分は、口というのを
言い表していまして、右の部分と併せて、’唯’
の意味です。
次に、さらに、満足という意味の字が、
真ん中の’口’と、下の部分で、構成されます。
最後に、真ん中の’口’は、左の字と、
ペアで、’知る’という意味の漢字になります。
結局、全体で、我、唯、足るを知る。と読めるのです。
そしてこの教えは、仏典から、来ているのです。)
お客様、大きく、うなずかれました。
ヾ(@^▽^@)ノ
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【仁和寺にて】
はじめ、天龍寺を予定していましたが、
竜安寺の近くに、見学出来る寺院は、ありますか?
という、ご夫妻のリクエストにお応えして、
そして、乗務員さんのおすすめもあって、
ここ、御室の、仁和寺に、やって来ました。
発願は、光孝天皇。
これが、仁和2年(886年)だったことから、
仁和寺と称する、とか。
天皇は、寺の竣工を見ずに崩御。
その意志を継いだ宇多天皇が、
仁和4年(888年)寺を創建し、開基となる。
寺は、始め西山御願寺と名乗ったが、
後に、光孝天皇在位の年号を取って、仁和寺とした。
御室の八重桜は、有名ですが、残念ながら、
今の季節、ただの、低木です。
ヾ(@^▽^@)ノ
まず、御室御殿に入ります。
開基である宇多天皇を始め、
代々天皇が、執務を執った門跡寺院の御殿です。
御殿の廊下を、進んでいった中程に、
お抹茶が、頂ける部屋が、ありました。
「Would you like to try it ? 」
(いかがですか?)
「We will.」
(そうしますわ。)
畳の上に座るか、テーブルで、頂くか?
どっちが、いいかと、係の人が、尋ねます。
テーブルが、いいと、おっしゃいます。
500円也。
旦那様が、お支払い下さいました。
ありがとうございます。
お菓子を見て、
「Any suitable timing
that we eat this sweets?」
(これは、いつ食べるのだ?)
「Oh, unlike tea or coffee you have in Europe ,
the powdered green tea we are going to have is
tasted a little bitter because of no sugar.
This sweets serves as a kind of sugar
separately set outside.
So eat first so that
the bitter tea goes well in your mouth.」
(そちらのお国の紅茶や、コーヒーと違って、
お抹茶は、お砂糖を入れないので、苦いです。
お菓子は、お砂糖代わり。
苦いお茶と、合うように、今、お口にどうぞ。)
お茶が来ました。クルクルと、茶器を手のひらで、
回転させて、お客様の前に出されました。
「 Why is it? Is she casting
a spell or anything ?」
(何かの、おまじないかね?)
「 Not at all. She's turning the cup so that
she could serve it with its front faced on you.
It's a polite way of serving the tee.
At a tea ceremony, it is a matter of course. 」
(違うんです。器の正面が、あなたの方に、
向くように、回したのです。丁寧なお給仕ですよ。
茶道では、当たり前のことです。)
床の間の、掛け軸を、じっと、ご覧でした。
漢文でしたので、ゴタも読めません。
でも、サービス精神だけは、
旺盛なので、無理して、解説を施した。
漢字は、10ほどありました。その中に、
「茶」の字と、「友」の字が、あったので、
『お茶は、友達。』
と、書いてあります。
とまた、ええ加減な、ガイドをしてしまいました。
(^_-)☆
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お客様は、庭が、お気に入りのご様子でした。
少し歩いては、「ワンダフォー」、
また少し歩いては、「ビュータフォー」、
「スプレンディド」、 「ワァオー」。
じっと、立ち止まって、動きません。
ガイドは、もう、話すネタが、尽きています。
こちらも、一緒に、ただ、ッボケーっと、立っているだけ。
まあ、喜んでもらえれば、いいのだ。
と、自分に言い聞かす。
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【お昼ごはん】
お昼は、時間節約のため、
コンビニで、おにぎりと、お茶を買いました。
奥様、スポーツ・ドリンクを指さし、
「これは、水か?」
と、お聞き。
「No,it's a sports drink.」
(スポーツドリンクだ。)
«この英語は、通じなかった。»
「What?」 (何て?)
「Water with special drag inside.」
(特殊な薬が、入った水だ。)
«苦し紛れに出た言葉でした。»
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【車中にて】
「Please show us how to unwrap the rice ball !」
(このおにぎり、どうやって、取り出すの?)
そんなことだろうと思い、
ゴタも同じ、おにぎりを買っていました。
「Please do like I do.」 (いいですか?)
「First、pull top. 」 (上を引いて。)
「Then, pull at no.2-part.」 (2を引き。)
「And pull the other side.」
(あと、反対側を引きます。)
Seeing is believing. 見ることは、信じること也。
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【嵯峨野にて】
車中、竹林の話が出たので、
天龍寺をカットして、竹林の中へ。
ここも、当たり。
お二人とも、それぞれのカメラで、
忙しく、カシャ、カシャ。
ただ、ひとつ聞かれたことは、
「この竹、何に使うの?」
「これは、・・・・・・」
(「竹刀なんだけど。)
この英語が、出てこない。
勉強不足ですぅ。すみません。
お客様、助け船を、出して下さいます。
「sword?」
(刀?)
「Yes, but, not exactly.
They use it for practice.」
(そうなんですが、
そうじゃなくて、練習用なので・・)
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【祇王寺にて】
「 This is a hermitage built
as nunnery in the Heian era.
A famous tale called
"The Tale of the Heike"
depicts a shirabyoshi dancing girl
who built this hermitage.
Kiyomori , grand minister
and top general governor,
once loved a shirabhyoshi dancing girl
whose name was Gio. But , Gio aged 21,
was soon abandaned
when a younger shirabyosi dancer
called Hotoke-gozen appeared.
Feeling vanity in life, Gio retired from
the world to be a nun,
And built this nunnery.
Her mother, Toji, and her sister,Gijo,19,also
followed her to be Buddhist nun.
Later, Hotoke-gozen visited this house asking
if she could be a nun as well because
she ,too,felt the vanity in life.
She said next might
be her turn to be discarded.
Then they altogether led hermit life
here practicing the Buddhist way. 」
(これは、平安時代に、
尼僧院として、結ばれた庵です。
平家物語に、この庵を結んだ、
白拍子の女性のことが、描かれています。
平清盛が、祇王(21歳)という
白拍子を、愛顧しました。
しかし、仏御前という、より若い、
17歳の白拍子が、現れると、
祇王は、見捨てられます。
無常を感じた祇王は、尼僧となり、隠遁しました。
そして、ここに、庵を結び
同じく出家した、母の刀自と、
妹の祇女と、ともにひっそり暮らしました。
そこへ、仏御前が、訪ねてきます。
彼女自身も、無常を感じた、といいます。
自分も、やがて、同じ憂き目に、
会うかも知れない、そういうのです。
そして、ともに、仏門に入り、
尼僧になると、いいます。
そして、彼女たちは、
ここで、一緒に、御仏に仕えました。)
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【銀閣寺にて】
「なぜ、銀が、施されていないのですか?」
当然、そう聞かれます。応仁の乱が、あって、
財政、逼迫の折り、そのような、贅沢は、許されません。
簡単に、そう説明しています。
しかし、実際のところ、義政は、もとより、
そのような、気はなく、幽玄の境地を享受していたようです。
銀閣、という呼び方も、後の世に、
そう呼ばれるようになったとか。
さて、銀閣寺でも、ボロが、出てしまったこと。
それは、ちょうど、セミが、鳴いていたときのこと。
お客様。林の小道で、おもむろに、歩みを止めて、
「Look. There are sounds coming from above. 」
(ほら。何か聞こえるわ。)
ミーン ミーン・・
それは、ミンミンゼミの鳴き声でした。
ところが、そこは、無知で、無教養のゴタ。
ミンミンゼミを、英語で、言えない。
そこで、とりあえず、セミだ、と、言おうとしたのですが、
ああ、そう、言おうとしたのですが、
あいにく、「杉の木」と、混同していたようです。
「Oh, That's a cedar.」
«セミだ、と、言おうとしていた。»
(杉ですよ。)
「No, no it's a sound of an insect.」
(違うわよ。昆虫の声よ。)
このやりとりを、3回、繰り返した。
4度目に、ようやく、何か、おかしいことに、気がついた。
そうだ。セミは、cicada だ。
気がついたときには、もう、銀閣寺の出口、休憩所でした。
おなかの中で、ひっそり、歌いました。
「遅かったのかい~。」
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今、遅まきながら、和英に当たっています。
ミンミンゼミは、
「 a robust cicada 」
なのだそうです。
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タクシーは、銀閣寺に着いたときに、
乗り捨てていました。
銀閣寺から、法然院まで、歩きます。
暑いのに、なぜ歩いたか。それは、簡単。
タクシー乗り場まで、歩く距離で、
ほとんど、着いてしまうから。
「Let's walk running sweat on our face.」
«ユーモア表現につき、和訳不可»
(汗を、かきかき、歩きましょう。)
(汗は走る。我等は歩く。顔の上かな。)
と、言ったら、バカ受け。大笑いとなりました。
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【法然院にて】
山門の前に、
【くん辛酒肉、山門に入るを許さず】
と、あります。
No garlic , no alcoholic drink , no meat.
これを、説明しようと、思ったが、止めた。
最後の、肉、が、どうも、気になった。
肉つきのいい女性に、いうのは、不謹慎だ。
山門は、茅葺きです。
30年に、一度、吹き替えるのだそうです。
山門の説明をしていると、
ご夫婦は、写真を写し始めました。
「Do I make myself an obstacle to you ?」
(私、邪魔ですかね?)
といって、山門から、離れると、
「Thank you !」
の声が、反対方向から、しました。
見ると、別の、カップルが、
山門の内側から、撮影しています。
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門を入り、境内を進みます。
左右に、積み上げられた、砂の山。
「What are the sand monuments for ?」
(何なんですか、この砂の山は、?)
「They put there the sand mounts for purification.
originally, salt was put on both side of the path.
In the course of time, sands substituted for salt.」
(砂は、お清めのためです。
もともと、塩が、この両側の積み上げられていたのですが、
いつのまにか、塩の代わりに、砂を積むようになりました。)
本堂の、御内陣には、
季節の花が、撒き散らされているのです。
と、説明はしたものの、
午後4時現在、本堂は、入場終了となりました。
(遅かったのかい~) 腹は、歌いました。

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法然院は、昨年、ひとり研修で、来たところ。
あのときは、市バスに乗っていたのです。
そしたら、アナウンスが、
「次は、豊年委員長、豊年委員長。」

と、いっているでは、ありませんか!
びっくりしました。
どんなところだろうと、思って、バスを降りてみた。
そしたら、
「法然院町」
の聞き間違いだったんですね。
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さて、法然院から、移動です。
タクシーを拾うため、大通りを目指します。南へ、10m
歩いたところに、なつかしいヤサカタクシーが、やって来た。
「すみません。平安神宮まで、お願いします。」
ブルルルン。出発-。
⏁⏁⏁
【平安神宮にて】
応天門で、お写真です。
立っていると、係員が、
「閉めますので。」
どけ、と言います。
(ええ、もう、閉門なのかな?)
と、心配していたら、お客様のほうが、詳しい。
「That's OK. The shrine opens until 6:00.」
(大丈夫。6時までですよ。)
《ロンリープラネット》
という外国人用のガイドブックがあります。
それは、日本を観光する、外国人には、聖書のような、存在。
お客様、それを見ながら、ゴタに説明。
どちらが、ガイドなんだか。
(ゴタ、クビやで。しっかりせい!)
聖書には、かないません。
応天門を入ると、左前方に、
手水舎が、あります
「 Before meeting gods,
we must purify ourselves.
It's essential to observe etiquette.」
(エチケットですから、
参拝の前に、お清めをしましょう。)
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【本殿前にて】
ガードマンが、やって来て、お客様に、
何やら、文句を言っています。それも、怖い顔をして。
本殿で、写真を写すな、と言っています。
こんどは、山田に向かって、
「あんた、ガイドやろ。ちゃんと、ゆうとけ。」
山田、これには、頭に来た。切れた。
よくも、私の大事な、お客様を、
わけの、わからん日本語で、困らせてくれたな。
お礼をして、差し上げるぞ。
「お前こそ、もっと、普通に、もの、ゆわんかい。」 ヽ(`Д´)ノ
このごろ、カラオケに行っていないので、久々に、大声を、張り上げた。
ガードマンは、行ってしまいました。
国際観光地なんだから、カメラが、だめなのなら、
英語で、目立つところに、注意書きしておけば、いいのに。
注意するガードマンは、
もっと、ジェントル・マンを常備させなくては。
日本の恥だ。 全く!
平安神宮さん、改善をお願いします。
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「Let's forget it.」
(気にしないで下さい。)
そう言って、説明を再開。
「 The reason why they reduced the shrine to
five 8th the size of the original one
is due to the Sino-Japanese war that arose 1894.
It's a budgetary problem.」
(8分の5に、縮小されてしまったのは、
日清戦争のためで、予算に問題が、あったからです。)
(*^o^*)
⏁⏁⏁⏁
庭園に入ります。
庭園は、
南神苑、西神苑、中神苑、東神苑
の4つで、なっています。
とくに、美しいのは、
御所から、移築した、建造物の多い、東神苑です。
お客様の感嘆の声を聞いて、うれしくなりました。
東神苑で、別の英語のグループと、重なる。
泰平閣で、
「Would you take a photo of us ?」
(写真撮ってもらえます?)
「Sure.」
(オーケー)
きっと、留学生チームなんだろう、
欧米人と、東洋人の混合グループ
と、合流したかっこうに、なりました。
⏁⏁⏁
さて、時刻は、午後5時を回りました。
5時30分が、ガイドの終了時刻です。
大鳥居を見て、帰りましょう。
と、言ったものの、タクシーに、乗った場所が悪く、
冷泉通りで、東山通りに出て行ってしまいました。
そして、川端通り、御池通りと進み、
目的地の、お宿、「柊家」に、
午後5時30分、到着しました。
別れしなに、握手です。
Thank you for today. It was a wonderful day
that I shared with you. Thank you again.
Please come back some day to call me again.
きょうは、ありがとうございました。
ご一緒できて、たのしかったです。
また、来てください。
⏁⏁⏁
お客様、あさっては、東京見物だそうです。
ガイドが、いればいいな、とおっしゃるので、
東京都内のゴタの、GICSS同期生に、連絡。
だめなんだって。
東京のガイドさんは、忙しいみたいです。
うらやましいなぁ!
ところで、後日、先輩から教えていただいたところ、
スポーツドリンクは、アメリカ人なら、
drink like getorade
と言ってます。
とのことでした。
山田 錦(ゴタ)
