<世界フィギュア>「心に残る演技」奮起…三原追い上げ5位

毎日新聞 4/1(土) 12:09配信

 

 ◇メドベージェワ連覇

 【ヘルシンキ福田智沙】日本勢は健闘したが、五輪出場3枠の確保はならなかった。フィギュアスケートの世界選手権は31日、女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)15位の三原舞依(神戸ポートアイランドク)がフリーは4位の138.29点と巻き返し、合計197.88点で5位に入った。SP9位の樋口新葉(東京・日本橋女学館高)はフリー122.18点、合計188.05点で11位。SP12位の本郷理華(邦和スポーツランド)はフリー107.28点、合計169.83点で16位だった。

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 SP首位のエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)がフリー154.40点、合計233.41点と、ともに自身が持つ世界歴代最高を更新して2連覇。ケイトリン・オズモンド(カナダ)が合計218.13点で2位、ガブリエル・デールマン(カナダ)が213.52点で3位に入った。

 ◇五輪挑戦へ強さつかむ

 一つ、また一つとジャンプを決めていく。三原は演技中盤で涙がこみあげてきた。「ここで終わりじゃない」。残りのジャンプ、スピンをこなしてフリーのテーマ、シンデレラを演じきると、大舞台で滑れる幸せを感じ、涙がこぼれた。「笑顔になれたらと思ったけど、先に涙が出て変な顔になっちゃった」と笑った。

 SPで出遅れもう失うものはなかった。ジャンプは危なげなく高さや幅があった。出来栄え評価はすべての要素で加点を得た。表現力を示す演技構成点でも5項目中4項目で初めて8点台をマーク。フリーの自己ベストを3.95点更新し「今季一番の滑り。SPの失敗があったからこそのフリー」と胸を張った。

 演技を前に思い浮かべ、自らを奮い立たせてくれたのは、憧れの浅田真央(中京大)が2014年ソチ五輪で演じたフリー。「お客さんの心に残るプログラムができたらいい」と奮起。底力を見せた。

 この日の滑走順は12番。SP16位から6位まで巻き返したソチ五輪の浅田のフリーと同じ順番で滑り、同じだけ順位を上げた。「来年のオリンピックに出られる(レベル)にはまだまだ」。納得の演技で五輪に挑戦する強さをつかんだ。【福田智沙】

 ◇力みジャンプ失敗

 ○…樋口はジャンプにミスが出て、SPから順位を二つ落とした。演技後半のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプで「跳ばないと」と強く思いすぎて力み、単発の2回転ルッツになると、ミスをカバーしようと試みた最後の連続ジャンプで転倒した。「五輪の出場枠は気にしていたが、思い切り滑れた」と演技には納得の表情。五輪の出場枠が2にとどまったことに「申し訳ない」としつつ、来季へ「最終目標は五輪に出ること。成績を残したい」と決意を示した。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170401-00000035-mai-spo