あー!!!
叫びたい!!!
どうせ叫ぶんだったら、
さざ波だけが聞こえる夕方の浜辺で、
キャッキャウフフしながら、
夕陽に向かって叫びたいのだ。
もちろん、叫ぶ言葉は決まっている。
「太陽のばかやろー!!!」
である。
別に叫ぶだけだったら、
「豚骨ラーメン!!!」
とか
「味噌ラーメン!!!」
とか
「大ブタダブル野菜ニンニクマシマシアブラカラメ!!!」
でもいいわけだが、
それだとなんだか叫んだ気分にならない。
むしろ、叫んだら叫んだで、
めちゃめちゃ叫び損な感じがする。
そこへ行くと、
「太陽のばかやろー!!!」
は、いい。
なにせ、太陽なんていう巨大な存在に突然、因縁をふっかけるのだ。
なんという爽快感なのだろう。
太陽からしてみたら、「え、なんでオレ???」
などと、言いがかりをつけられたと思うだろうが、
そんなことは知ったことじゃない。
とにもかくにも叫びたいのだ。
そして、なんの意味もなく、海辺を走りたい。
全力疾走したいのだ!!!
もちろん、キャッキャウフフしながら。
ついでに後ろから犬が追いかけてくるとなおさらいい。
もちろん、犬はチワワかマルチーズだ。
ドーベルマンだとか、土佐犬なんかに追いかけられたら、
それは単純に命の危険を感じるだけだからだ。
でも、たとえ、どう猛な犬に追われなくても、
ちょっと全力疾走したら、動悸息切れがする、
そんなお年頃のオレだったりするわけだ。
ああ、はい。
全力疾走したあとなんて、
キャッキャウフフする余裕なんてないっすよ。
まったく。