祖父が亡くなった。
今年は別れの年なのだろうか。
夜中に危篤の連絡が入り、車を飛ばして病院まで行ったけど間に合わなかった。
祖父が亡くなって、祖父の写真を探した。
私の子供たちを可愛がってくれる祖父の写真が何枚も出てきた。
でもどれも10年以上前のものだ。
再婚してから、祖父母宅へ足が遠のいてしまったからだ。
継子を祖父母宅に連れて行きたくなかった。
他人の家で食べ物を物色したり、偉そうに命令口調で喋ったり、気に入らなくて暴れ出すと困るからだ。
継子を見守るということに集中していると楽しめない。
ストレスになるから足が遠のいた。
祖父母や親戚の前で、ちゃんと継子のお母さんをしているという姿を見せないといけないと思い込んでいて、それが辛かった。負担だった。
葬儀の前の日に私と私の子供たち3人は祖父母の家に泊まった。何年ぶりに泊まっただろう。
親戚が集まっていて、懐かしい話をたくさんした。
継子と夫は家に帰ってもらった。
継子がいないと伸び伸びと振る舞える。
親戚からは「なんで継子だけ泊まらないの?」と聞かれたけど、「難しい子だから、お父さんがいないと大変なんだ」と伝えておいた。
これで良かったんだ。
こうしておけば良かったのに。
葬儀の前の日に気付いた。簡単な事だった。
あの子を夫に任せて、私と私の子供たちで祖父母の家に行けば良かった。
誰にどう思われても言われても、気にせずにこうしておけば良かった。もっとたくさん遊びに行って、思い出を作っておけば良かった。
素行の悪い継子のせいではなく、完全に私が弱かったから後悔が残るのだ。
後悔する選択をしてしまったのだ。弱かったから。
嫌な事を避けるために楽しい事を犠牲にしてきたけど、もうそういうのやめたい。
私だっていつか死ぬんだ。ずっと同じじゃない。ずっとみんなが元気なわけじゃない。
「継子だけ連れて行かないなんて可哀想」
そう言われるかもしれないし、そう思われるかもしれないけど、継子はその間は夫に遊びに連れて行ってもらえばいい。
私って人の目をすごく気にしてるんだと思う。
人の目より自分の楽しいって気持ちを大切にしなきゃ。