アゲハ幼虫2024年第2号。蛹化して8日目で蛹の中でアゲハ蝶になったようです。
あとは、蛹から出て羽化するのみ。今日の天気はどうかな?豊玉の朝は、曇りです(のち、晴れました)。
バルザックの「暗黒事件」読み終えました。時代はフランス大革命がナポレオン・ボナパルトの登場で終わろうとしているとき、王党派、ブルジョアジー、そして市民を「代表」する者達はさまざまに自分達の生き残りのために動き回ります。なにしろ毎日のように公開処刑でギロチンにかけられる者が多数(多い日には数十人)いた革命末期のこと。政治に関わる者達は皆必死です。
そんな中、歴史的事実として「暗黒事件」がおきました(元老院議員が1800年9月23日に誘拐され、10月10日に生存して発見)。この事件では3人(うち2人は貴族)が犯人とされ、11月にギロチンで処刑されましたが、その後冤罪ではないかとされます。
バルザックはこの事件を元にして、ナポレオン時代が終わったあとに(1841年)、小説「暗黒事件」(小説の舞台は1803年)を世に出しました。ただし、時代が変わったとはいえ(革命情勢はまだ続いています)、「関係者」「諸勢力」が存在するため、小説の「事件」は細部においては、実際の事件を「暗示」させつつ書かれています。だから当時フランスに生きた人たちには「ああ、あのことか」と、それとなくわかったでしょうが、200年以上後にアジアの片隅で小説に接する者には(当時のフランスの入り組んだ政治状況も難しく)、とてもわかりにくいのです。この小説はまさに「難解小説」といえます。
「暗黒事件」は時代を読む小説なのかもしれません。
私は小説を読むときに巻末の「解説」は最後に読みますが(「暗黒事件」もそう読みました)、でも、この作品に限っては「解説」を先に読んだ方が良いかもしれません。巻末に訳者の柏木隆雄さんが丁寧に解説文を書いています。
バルザックの小説、少し疲れたので、次の「フランス文学」はアナトール・フランスの「神々は渇く」(岩波文庫、大塚幸男訳)を読んでいます。やはりフランス革命の時代。市民達の物語です。アナトールフランスはバルザックが「フランス大革命とナポレオン」の時代に生きたのに比べ、1848年革命、1871年革命の時代の人です。この時代に歴史を動かす主体は、貴族/王党派から市民/労働者に変わっています。小説の時代設定は「暗黒事件」と同じ「フランス大革命」時代ですが、書かれたのがだいぶ後なので、「配慮/忖度」がなくてこれは読みやすいのです。
梅雨空だけど、良い土曜日を!
などと書き終わってから蛹を見たら・・・。羽化していました。現在、羽を伸ばしているところ。数時間後には大空に飛び立ちます。アゲハの羽化写真つけて、ブログ再アップしました。
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☆写真/画像は上から、街のアジサイ(古いipod_touchの500万画素カメラでうつしました)。羽化直前のアゲハの蛹(アゲハチョウの模様が透けて見えます)。今朝3時のアジア天気図(気象庁サイトから)。「暗黒時間」終盤の挿絵。ナポレオン・ボナパルトが登場してます。5枚目は今読書中の「神々は渇く」の表紙。
↓去年の今日のブログです。明治神宮の北池まで散歩をして、そこで20年前(その場所にやはり居た)を振り返っています。