観察日記 -2ページ目

観察日記

振り返れば僕がいる

最近、夜中にポテトチップorカップメンが無性に食べたくなる。


その衝動は我輩の心臓を鷲掴み、思考を麻痺させ、四肢を駆り立て、
ふと気がつけば、
我輩は上着を羽織ってコンビニに佇んで物色しているのである。


しかし、
かと言って、
実際に空腹なわけでは全然ないのだ。


「腹が減ってるから食う」のではない。

「食うという行為がしたいがために食う」のである。

「食うという行為をしたい」という衝動によって食うのである。



「腹が減って食う」のはイヤシンボウのする事である。
貪瞋癡の貪が過ぎたる猪八戒のする事である。
孫悟空と沙悟浄と連れ添って、玄奘三蔵を尼寺にでも送るがよかろう。


我輩は違う。

違うのだぜ。


「食うという行為がしたいがために食う」のである。

つまりもっとストイックな、、、
なんというかこう、「道を極める」みたいなね、
イチロー的な、、、
名前の系統には近いものがあるしね。

そう。
苦行というか、、、
その苦行を乗り越えたその先に広がる未知なる世界を、、
覗いて見たくはないかベイベー?俺と一緒に。俺が俺と一緒に。
っていうか。
いや、実際ツライよ。ツライわ。うん。もう我輩もぼちぼち歳だし、、、。
そもそも、そもそもがだよ、お腹減ってるわけでもないしさ、
ポテチ半分くらいまで食った時点でだいたいちょっと気持ち悪くなってくるよね。

後悔するよね。

悔い改めはしないけどね。

そして再び食い改めるわけだけどね。

チップスの種類、形状、味によっちゃ、口内の上辺っつーの?上の歯の奥の方のスペース、暇な時なんかはおもむろに舌でレロレロして遊んだり出来る部分が痛くなったりもするし。
でもその舌先の遊び場がどんなに痛くても残りを食い終わるまでこの行は終わらないわけだから、意地になって矢継ぎ早に口の中に放り込むわけだけど、そうしたらば、推察するに、恐らくは軽い炎症をおこしているとおぼしきその舌先の遊び場で、今や鋭利な刃物と化しつつあるチップス(特に、刺激の強いパウダーが施されている場合のそれはまさに毒を仕込んだ刃である)が反乱を起こすのである。
そして不快なる疼痛は駆け巡り駆け巡り駆け巡りサニブラウン。


でも我輩は負けへんのだぜ。


何故なら、
行為の純度を下げるものがまさに煩悩なのであり、

煩悩を伴わない純然たる行為、
無色透明で、無人格な、ただの衝動そのものに駆られた故の行為、つまり、

「行為のための行為」


これ以上に美しいものがこの世にあろうか?

「行為のための行為」



それはまるで人間の姿、実存の有り様そのもののようでもある。



「容れ物のための容れ物」


「箱のための箱」



【果たして箱の中身はなんでしょう?】


そんな事を問うて何になる?

そんな事に迷って何になる?