何もない保育室?! 東 喜代雄
先日ある市会議員さんが、「近いうちに狭山ひかり保育室を訪問したい」と言われました。4月に視察されたばかりなので、「どうしてですか?」と尋ねると、「この前行ったときには、何もなかったから。」と言うことでした。4月の開園時には、国指定の施設設備については、完璧に設置してスタートしたので、それ以後の「見た目」はあまり変化ないと思います。
さて私は2004年に『愛情、あと半分は土と水とガラクタ』という本を出版しました。(いのちのことば社)この本は紀伊国屋書店で、2度も3度も週間ベストセラーになったほどでよく読まれ、すぐに3版が印刷されました。
この本のテーマは、「幼児の教育にとって本当に大切なものは何か」を説いた本で、14年たった今でも、これに付け加えることも、差し引くこともないほど教育の本質を言い当てていると思っています。
もし保育室に愛情(思いやり、やさしさ、親切など)はなく、土(緑の木々や草花、運動場、土や砂の遊び場など)はなく、水(動植物が生育する元素、子どもは大好き)、ガラクタ(自由に惜しみなく使える遊具や教材など)がなければどうでしょうか?
陽の光、そよぐ風、緑の木々や土の匂い、何より愛情深い人たちの笑顔と寄り添いがある、それが「何もない保育室」の誇りです。