愛すべき牛達
鳥取県での削蹄ツアー中
17日に共進会という、いわゆる牛のミスコンテストが開催されるとあって
削蹄で伺った牧場で、牛を綺麗に洗ったり、毛刈りをしたり、ウオーキングのトレーニングを毎日されていました
なかなか時間を潰すのも難しいので、農家さんにワガママ言って、共進会用の牛と戯れることにしました
酪農に携わってから牛の魅力にはまり、大好きになったのですが、愛玩的に接するのを
あえて避けていました
それは可愛い、好きだけでは酪農業は厳しい面もあるからです
しかし、牛と仲良くなって、可愛さにメロメロになってしまいました*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
農家さんに17日待ってるよ!なんて言われましたが(o^^o)
行けない代わりに、私の名前を可愛子ちゃんに分けてあげました
命名「まーチャン」です
共進会参加予定に、もう一頭黒い子がいるのですが、どーしても私と仲良くなれず(  ̄_ ̄)
写真はありませんが
名前は「やーチャン」と命名されました
是非、まーチャン・やーチャンにはチャンピオンになってもらいたいですね(^∀^)
私に出来ること
先週、北海道から豊栄削蹄所の牧島削蹄師さんが、削蹄の見学兼実習に来られました!
COW Happyの削蹄勉強会で出会いました
後ろ足、前足に分かれて削蹄を行い、ディスカッション
私の考えですが
削蹄の技術において、100%正解というものは無いと思っています
それは、何故かというと、削蹄の後に蹄病が0%になることは無いからです
それは、どの削蹄師でも、どの削蹄法でも
同じ削蹄を施して、蹄病が出ない牧場と、次の削蹄までに跛行するような牛が出る牧場の差は
環境の違いだと思っています
牧場によって、それぞれ牛の状態(牛の能力、健康状態、泌乳ステージ、乾乳)と蹄の環境(汚泥環境)が違い、そこで蹄病が出る出ないで分かれるのではないでしょうか?
当然、蹄の構造や牛の体にあった削蹄であることが前提です!
もし蹄の薄い状態ならば、削蹄後すぐさま跛行するでしょう
定期削蹄を行なう事で得た、その牧場の削蹄データを元に、多く発症している蹄病があれば、少なくなるような削蹄を考えて、その牧場に合う削蹄を実行しなければいけないと思います
こういった事は、経験値が必要になってくるので、だれでも出来る削蹄を目指す上ではナンセンスな行動かも知れません
しかし、牧場の特徴を捉えて、対応する
それこそが究極の削蹄なのでは?と感じています
ですので、先輩である牧島さんの削蹄にも
この牧場では・・という前置きで削蹄の指導をさせて頂きましたf^_^;)
私の左側が牧島さんで、右側は、私が毎月お世話になっている岩本美容師さんです
大手のチェーン店から半年前に独立して、aspeeというお店を開業した、やり手の美容師さん!
まだ若いというのに、すでにスタッフは8人‼︎
店舗を増やしたいそうで、今後も人を雇用していくそうです
その岩本さんの隣が、三田市にオープンするMclassガーデンの取締役の宮田さんです
それぞれの目標や夢というのは、バラバラです
なのに、ビジネスという部分で共通の想いがありました
今回の飲み会で私が得たビジネスビジョン
私は、たまたま日本で初めて油圧枠を使用して、開業している女削蹄師という肩書きで、アピールし、酪農雑誌にも連載出来るようにまでなりました
このブログも自社をアピールする1つのツールです
こういった経験や特徴を利用して、積極的にSNSでアピールし、出来ればメディアにも露出し、まず自分という商品をアピールします
私が目指している所は、目立ちたい!削蹄を世に広めたい!ではありません
一般、いわゆる消費者に対して、もっと畜産との距離を縮めて、酪農業界を発展させれたらと思っています!
私の夢は、現場を任せれる人材を確保してからの話ですが
酪農業界を、もっと盛り上げて牛乳消費のアピールをしたい
酪農は、やりがいのある素晴らしい業種であると共に、日本を支える重要な産業です
削蹄は牛にとって大事な作業です
その牛は酪農家さんにとっての財産です
その酪農家さん達は、牛乳や牛肉で収入を得ています
その牛乳や牛肉は消費者が購入します
大事な削蹄を行うには、消費者が当然のように日本の地産物を購入し続けることが条件なのです
私にしか出来ないネットワークを使って、農業が日本を支える大事な産業であることを、一般社会にアピールしたいです
あまりにも一般人と牛との距離が離れ過ぎています
大昔は一家に牛が一頭いたと聞いたことがありますが、どうしてか?今は都心や住宅街から離れた所に追いやられ、臭い!汚い!と罵られます
海外から安く輸入した物を食べれたら良いのかな?
日本から産業が無くなって良いのかな?
それに気付いてしまった以上、無視は出来ません
自分の、この小さな活動で何を変えれるかは分かりません
しかし、想っていても行動に示さなければ何も起こらない
結果的に何も起こらなくても、私の人生
決めた事は、やり通す!これを、続けてきて今に至ります
常に努めて怠らぬ者は必ず救われる
やってみます!
冷たい水は嫌
私は牛を観察するのが大好きなのですが
とある牧場で、牛が水槽の所で口を開けて頭を振っていました
数日間見ていると、結構な数の牛が同じ行動を示していました
それは水が冷たすぎる!
すごい勢いで吸い上げます
しかし、口を付けて、すぐに水を前に吐き出すようにしています
他の牛は、舌でペロペロと舐めて、水を飲もうとしません
最初は水が臭いのかな?と思ったのですが、水槽は綺麗に掃除されています
そして、舌で遊んだ後に空気を大量に含みながら水を吸いました
これは、冷たすぎて本当は飲みたくないけど、喉は渇いているから仕方なく飲む時の勢いの表れです
空気を大量に吸い込むと、実際に必要としている水分量より少なくなってしまいます
本当は、何の躊躇もなく水をガブガブ飲むものです
牛の胃は4つあり、胃の中には大量のバクテリアが存在します
常に一定のPH数値を維持しながら、餌を消化吸収しています
冷た過ぎる水を胃の中に入れてしまうと、胃の中の温度が低下して、バクテリアが死滅してしまいます
大事なバクテリアを守る為に、自然と牛は冷た過ぎる水を一気に大量に胃の中に摂取しようとしないのでは無いか?と考えられます
またバクテリアが死滅した際に毒素を吐き出す為、牛の体調にも変化が出ます
解決策として、お風呂の湯温を一定に保つ電化ツールがホームセンターなどで売られているので、その設置を推奨しました
実際に実行した牧場で、一頭平均1日0・5kg~1kgの乳量アップになったと聞きましたし
保温ツールの電気代を考えても、十分元がとれますし、何より牛の為に是非、改善して欲しいなと思います!
G'day削蹄講習会atつなぎ牛舎
今日は宮崎県JAさんから依頼を受けまして、ツナギ牛舎での削蹄講習会を行いました
ツナギ牛舎の場合は、限られた場所での寝起きしかなく、コンクリートの上を歩いて爪が磨耗する事もない為、通常の機能的削蹄の教えである長さ7・5cm厚み6mm(8・1cm)角度52度よりも短く、角度も少し低くします
宮崎県での削蹄講習会は、これで3度目です!
3年ほど前に1回目の蹄、削蹄に関する座学を講演して、その1年後ぐらいにフリーバーンでの削蹄実習を行いました
その際に、ツナギ牛舎での削蹄方法の違いを知りたいということで、今回ツナギでの削蹄実習となりました
ツナギ牛舎の場合は、限られた場所での寝起きしかなく、コンクリートの上を歩いて爪が磨耗する事もない為、通常の機能的削蹄の教えである長さ7・5cm厚み6mm(8・1cm)角度52度よりも短く、角度も少し低くします
ここで重要なのが、その牧場のゴムマットの硬さや牛の大きさなどを考慮して削蹄します
例えば、この場で長さは7cm角度50度と断定してしまいますと、必ず合わない牛、牧場が出てくると思います
角度が高すぎると、つま先を浮かせて体踵の方に体重をかけて立つので、その場合は踵を少しずつ落として安定性を重視します
面倒ですが、それを繰り返す事で、その牧場の牛達の特徴を掴み、さらに、どの長さ・角度が適しているのかを判断します
講習会の中でも何度も話したのですが
削るのは簡単です!
削り過ぎた物を足すことは出来ません‼︎
残り過ぎた物を削ることは出来ますので、分からないうちは、必ずスケールやテスターを使って、確認作業を怠らず慎重に削蹄してください
そして、最初は時間をかけても仕方ありませんが、早い段階で見極めて、牛の拘束時間を短くして出来るだけストレスをかけないように努力することも削蹄の大事なポイントです
このような削蹄講習会というのは全国的に少ないと思います
どういった理屈で、この機能的削蹄を行っているのか?力学上、物理学上、数年蓄積したデータを踏まえた上で、各牧場に見合った削蹄が、牛にとって良い結果をもたらす事を、もっと色んな地域で広がっていけば、削蹄後の不満や蹄病に困る酪農家さんも減ると思います
削蹄師と酪農家さんも同じですが、まず知ること
それから実践
知らないと言うことは、とても怖い事です
機能的削蹄の教えでは、重い体重を支える大事な蹄尖を削ってはいけないのですが、今回の参加者で普段、普通に削っていて、それが駄目な行為だという事を初めて知ると共に、とてつもない衝撃を受けたと話されていました
だいぶショックを受けてましたが、重要なのは知った後です!
知ったからには、明日にでも実践‼︎
そして、なぜ?機能的削蹄が牛に良いのかを説明出来るだけの知識を得て、酪農家さんが納得する説明が出来なければいけません
削蹄師の世界は、とても難しいかも知れませんが、努力は必ず報われます
間違った事をしていない限り、牛が答えを出してくれます
すべての答えは牛に聞く‼︎
私も常に、これで良かった?と牛に心の声をかけています
削蹄の後に当たり前のように牛の立ち姿や寝起きを見る事も仕事の一つです
溝切り第二弾
2日前から(株)COW HAPPY社の床面溝切りが、私が削蹄でお世話になっている牧場で行われる事となり、お手伝いに来ております
テクスチャリングは、牧場に既存である溝と溝の間が経年劣化でツルツルになっている場合に、細く細かい傷を付けて牛が滑らないようにするものです
新設牛舎などが多いです
アラン自身も磨耗は少しなく、良い結果が得られるだろうと話していました
グルーピングを行った牧場の削蹄が、2週間後なので、すぐに爪からの結果は見れないかも知れませんが、滑走はゼロになりそうです‼︎
実際、滞在中
牛達の歩行を見ていましたが、一度も横滑りしていませんでした
あと施工時の騒音もテクスチャリングより静かで、牛達も落ち着いていました