●●の親のことが気になった。
話し合いの時の彼らは、私の知っている親という像からかけ離れていたからだ。
これまで●●の親とは疎遠だった。はじめは絶縁していると聞いていた。初めて会ったのは子供が産まれてからだった。急に義母から●●へ連絡がきたのだ。
●●は、生育環境について口が重い。恥じている、直感で思っていたから、そのうち私も聞かなくなった。けれど借金が判明して、彼らの態度をみて、聞かなければならないと感じた。
●●は、小さな声でこれまでのことを話してくれた。
●●は実の父親のDVが原因で両親が離婚し、母子家庭で育った。思春期に母親が金銭的な支えを求めて好きでもない男と付き合い始め、ほとんどを祖母に育てられたそうだ。出会った頃は羽振りがよかった義父も、リストラにあって金がなくなり、ゴミ収集などの出稼ぎなどで食いつなぎ今に至る。
母子手当のために同棲を隠してつきあい続けて、息子二人が成人したことを機に結婚。田舎で田圃を借り、農業を始めた。母親は結婚したくなかったが、別れるきっかけを逃したという。
母親が金のため、思春期に好きでもない男といて、同棲までしていた?それをなぜ息子が知っているのか。それを聞かされて義父を父親として受け入れられるのか。10畳と6畳の1dkに高校生の息子と母親、その彼氏の四人で暮らし、いろいろなことを目の当たりにし続けただろう。一体どうやってまともな家族観を養うのだろう。
弟は自己破産。兄の●●自身も2件の債務整理。母親はカードローンを借りては未払いをちょくちょく繰り返している。義父は支配型の典型的な毒親で、兄弟の借金癖に漬け込んで、成人をした義理の息子二人の給料を管理するという名目で月々10万以上を生活費と返済にあてると称して巻き上げていたのだという。
そんな暮らしを3年間続けていたのに、借金は減っていなかった。その金で両親は新車を買って乗り回していたそうだ。
それを見て、●●は親の元から逃亡し、私と出会ったのだと話した。