「BOSS」最終話を見終って

 今クールでも、一番安定して楽しめたドラマが「BOSS」です。

最終話は第10話と前・後編を構成していましたが、ゲストに反町隆史と津川雅彦に迎え、クライマックスらしい盛り上がりを見せたと思います。
反町・竹野内と言えば「ビーチボーイズ」のイケメン・コンビの再来ですね(^_^;)

あと、第1話の大物ゲスト、武田鉄矢が再登場したってのも嬉しかったし、この場面で天海祐希との丁々発止のやり取りもコミカルさも含めて、非常に気持ちよかったですね。

特に爆弾の解体の場面は、この手のパターンで良くある「赤か?青か?」のパターンを踏襲しつつ、心理ゲームで相手を出し抜いた天海祐希が勝利するのも心地よいっすねぇ。

で、第10話で竹野内が裏切ったと思いきや、最終話で大どんでん返しがあって、まんまと僕は騙されましたね(^_^;)
「騙すならまずは身内から」って事で、自分たちの会話が盗聴されているって設定であり、それを見ている視聴者も、彼らの騙しの演技をそのまま見せられたって展開です。

コミカルさを基本にしていますが、舞台設定や配役、脚本などが見事で、この第10話~最終話の最後のエピソードなどを見ると、今クールの似たドラマ「MR.BRAIN」の脚本よりも、一歩リードしている気がします。

ラストのオチに、反町が「また近いうちに会おう」って意味のセリフを言うし、エンドクレジットでもすぐに会えそうな英語が登場したので、おそらく近々、反町を敵役とした2時間スペシャルが作られるのでは?と思います。
やはりこれだけ視聴率が良くって面白い作品ですし、事件さえあればいくらでもエピソードが作れますので、ほぼ確実にスペシャルは来ますね(^_^;)

ちなみに、ラストで天海祐希が教える弁護士「間宮貴子」は、同じく天海祐希が主演した「離婚弁護士」「離婚弁護士Ⅱ」の天海祐希の役名です(^_^;)

脚本が「離婚弁護士」と「BOSS」は同じ林宏司なので、ドラマの雰囲気が僕はそっくりだったと思います。
主人公のボスが女性で、凛々しいけれどコミカルで少しお間抜けな部分もあり、カメラ演出が細かいカットの連続ってのも似ていたと思います。

 ドラマ全体としては、個人的には戸田恵梨香・吉瀬美智子という「可愛い」「美女」の2大代表が出演しているので、特に僕は戸田恵梨香の可愛い表情を見ているだけで大満足でした(^_^;)

また、先に書いているように、もともと「離婚弁護士」が好きだったので、それにそっくりの雰囲気でコミカルを基調としつつ小気味よいテンポで展開する雰囲気が大好きでした。

毎回、一人ゲストを呼んで、そのゲストに犯人役を演じさせるって点では、これも「MR.BRAIN」と共通する点があります。

キャラに関しては、天海祐希がダントツで見事で、戸田恵梨香が個人的に好みでした。
天海は、主演して昨年の流行語にも選ばれた「Around40~注文の多いオンナたち~」での主演が印象的であり、その「アラフォー」の印象そのままに、「離婚弁護士」の印象も活かしつつ見事な主演であったと思います。

あと、竹野内豊と吉瀬美智子が好きだったかな。

溝端淳平と温水洋一もまあまあでしたが、個人的にはケンドーコバヤシが唯一、ドラマから浮いていた気がします。
ゲイっぽいキャラですが、そのゲイ・キャラってのもウザいだけでしたし、演技のオーバーさも少し行きすぎでドラマに似合わなかった感じがします。

同じ関西弁のキャラで言えば、「名探偵の掟」の木村祐一くらいのキャスティングで良かったのでは?と思います。

一話完結(一部、前後編)を基本としている展開もわかりやすいし、何と言っても「刑事コロンボ」的にラストで犯人を落とす方法が手際よく、脚本も非常に上手くって見事でしたね。

また、オープニング・テーマのSuperflyの「Alright!!」の「ナーナナナナナ」ってのも、メチャクチャかっこ良かったですね。
映像の見事さもあって、最近でもダントツにカッコ良いOPであったと思います。

しかし、なぜかテーマ曲としてシングル・カットされたのは同じSuperflyの「My Best Of My Life」であり、誰もが「この曲、何て言うの?」と思っただろう「Alright!!」は当初、シングルの予定など全く聞かず、話題になってからやっとダウンロードのみで配信されたっていわくがあります。
最初っから、この曲をテーマ曲にして、カップリングで「My Best Of My Life」とシングルにすれば良かったのに・・・と思いました。

 さて、書き忘れた他のエピソードの感想も。

【第4~5話】
 これは山田孝之が犯人となって、戸田恵梨香を誘拐するって話。

前半部分で、戸田恵梨香が水攻めに遭うシーンは、映画「ザ・セル」(THE CELL:2000)にそっくりでしたね。
また、後半で椅子に縛り付けられてビデオに撮られるシーンは、同じく戸田恵梨香が「DEATH NOTE」で受けたしうち(?)にそっくりだった気がします。

山田孝之の雰囲気がよくって、前後編にまたがっていましたが、飽きずに見れました。

【第6話】
 志田未来がゲスト。

このエピソードは、もう志田未来と天海祐希の演技合戦が最大の見ものでしたね。
志田のイヤミな言い回しに対して、堂々と構えてかわす天海の大人の対応がスッキリしました。

【第7話】
 富田靖子がゲスト。

これはまさに「刑事コロンボ」的な展開で、殺人事件とは無関係に天海が富田に会いに来ている風を装いつつ、次第に罠を狭めていくあたりは見事でした。

設定も豪華で、けっこう好きなエピソードでしたね。

【第8話】
 小西真奈美がゲスト。

舞台設定も派手ですし、小西真奈美の美しき暗殺者って設定も魅力的でした。
片桐(玉山鉄二)の過去に絡むエピソードで、彼が優秀に見えるのに射撃を行わなかったり定時に帰るあたりの理由が説明されます。

ま、彼女が暗殺者だってのはバレバレですし、温水が彼女の部屋に行って正体がばれるってのも、イージーすぎますが、ま、いいでしょう(^_^;)

【第9話】

 生瀬勝久がゲスト。

 彼が二重人格であり、弟の正体は彼の中のもう一人の人格であるってのは、かなり早い段階で分かります。
このあたりがよくあるパターンすぎて面白くないかなぁ。

見せ場的には、生瀬勝久のキレた演技であり、特に最後に捕まる場面での狂気ぶりってのは非常に素晴らしかったです。

エピソード的には全ての中で一番、地味なエピソードに感じられましたが、前の第8話と続く第10話~最終話が派手だったので、許せる範疇でした。

 って事で、これだけ面白い設定ですし、脚本さえ考えればいくらでもエピソードが作れそうなので、是非ともスペシャルだけではなく、「離婚弁護士」同様、「Ⅱ」を作ってもらいたいですね。