現代日本語の「病」(やまい)をごんざは『янме』(yanme)『やんめ』とつづる場合と『ямме』(yamme)『やむめ』とつづる場合がある。
「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
A『янме』(yanme)『やんめ』
「болЕзноносецъ」(boleznonosets') 「病人」 『やんめもん』
「желтяница」(zheltyanitsa) 「黄疸」 『きかやんめ』
「недугъ」(nedug') 「病気」 『やんめ』
「недугую」(neduguyu) 「病にかかる」『やんめする』
「недужный」(neduzhnyi) 「病の」 『やんめんと』
「немощъ」(nemoshch') 「病気」 『やんめ』
「немощный」(nemoshchnyi) 「病気の」 『やんめんと』
「немоществую」(nemoshchestvuyu)「病む」 『やんめする』
「хворость」(khvorosti) 「病」 『やんめ』
「хворыи」(khvoryi) 「病身の」 『やんめもんと』
「хвораю」(khvorayu) 「病みつく」 『やんめする』
B『ямме』(yamme)『やむめ』
「скорбь」(skorbi) 「病気」 『やむめ』
「скорбныи」(skorbnyi) 「病気の」 『やむめんと』
「скорблю」(skorblyu) 「病む」 『やむめする ねをる』
「скорбнО」(skorbno) 「病んで」 『やむめんこと』
「паралижъ」(paralizh') 「麻痺」 『ないぇたやむめ』
「Оскорбитель」(oskorbiteli)「侮辱者、他人を悲しませ怒らせる人」『やむめさするふと』
「Оскорбленiе」(oskorblenie) 「侮辱」 『やむめ』
「Оскорбляю」(oskorblyayu) 「侮辱する」 『やむめさする』
「Оскорбляюся」(oskorblyayusya) 「侮辱を感じる」『やむめする』
「Отокъ болЕзн:」(otok' bolezn:) 「全身水腫病」 『ふぁゆるやむめ』
『やんめ』と『やむめ』ほぼ同数で互角のたたかいだ。
つぎのことばの場合、
「огневица」(ognevitsa) 「熱病」 『あつかやんめ』
鹿児島県立図書館の原稿コピーをみたら、ごんざが
(ямме)(yamme)(やむめ)から(янме)(yanme)(やんめ)にかきかえたのか、
(янме)(yanme)(やんめ)から(ямме)(yamme)(やむめ)にかきかえたのか、
よくわからないけど、かきかえたあとがあった。
かきかえる必要があるような表記ルールがあったのか、まようほどどっちでもいいことだったのか、ごんざにきいてみたい。