「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
「всепалителный」(vsepalitelnyi) 「すべてを焼くような」『すよいると』
村山七郎注 惣様炒るト(?)
ごんざの訳語の『すよ』(惣様)は「すべて」という意味の薩摩方言らしい。
「всепалителный」(vsepalitelnyi)の意味の中心の「палю」(palyu)という動詞は、英語の「fire」とおなじようにふたつの意味があって、この辞書のみだし語としてもふたつ別にならんででている。
「палю」(palyu) 「焼く」 『やく』
「палю стреляю」(palyu strelyayu) 「火器から発射する、射る」『いる』
ごんざの訳語の『いると』は、「鍋で炒る」のではなく、銃や大砲をうつことだ。『すよいると』で「一斉射撃で弾の雨」というような感じだろうか。
おなじような意味のみだし語がもうひとつある。
「всесожжение」(vsesozhzhenie) 「全部焼くこと」 『すよやくこと』
これは全然ちがって、キリスト教の儀式で動物を丸やきにして、神にささげることらしい。