遠足の朝

楽器と衣装
そして
どうにかなるさを
カバンに詰めて
今日に漕ぎ出そうか

演奏のことじゃない
その後の打ち上げや
未定の今夜の落とし所
終電に走るか
満喫になだれ込むか

どうせ
僕の孤独を見つける人はいないだろう
変な服を着た
変なオヤジだと思われて終わりだろう
それでもいいのだが
むしろそれが望みなのだが

遠足の朝の妙に早起きな自分が
少し恥ずかしくてさ

おやつは300円以内だっけ?
バナナはおやつに入るんだっけ?
ビールはおやつって呼べるんだっけ?

多分そんな
きっとそんな僕の
小さな朝だ

大丈夫
君に迷惑は掛けないから

泣かなければ迷子にはならないんだぜ

そうだ
ここは日本だ
日本語が通じるし
スリも少ないだろう

遠足の朝

忘れ物はきっとあるし
お土産も足りないだろうし

このこころのどこかの
満たされぬ空間にハマる
最後のピースを
僕は知っているのだけど

でもそんな
遠足の朝だよ