夜明け未満

湯気のように立ち込めてくる詩情を

うまく言葉に定着できない歯痒さがここにある


たぶん君に関した柔らかい感情で

それはしあわせに近い感触なんだけど


僕はなぜこの感覚を

自分に隠しているのだろうか

でも柔らかいそれはそのままで心地いいので

なんか言葉で汚さなくてもいいと思った


夜明け未満がもうじき夜明けに解脱する

そして僕は

その淡い詩情も忘れてしまうだろう

その痕跡として

世界に隅に引っ掻き傷をつけておこうとは思うんだよ


悪くないアンニュイさ


忘れたくないな