僕とジュジュの魔法18
師匠は僕に耳打ちした
「いいか 今お主が抱えている一番の願いを全身全霊で祈るのじゃ
お主には出来る!」
メフィストもまた彼女に一言二言耳打ちしていた
月が夜の真ん中に差し掛かる頃
僕らは対峙した
師匠が急に差し出した古びたタクトのような棒を握りしめた僕は
ホウキからメフィストに差し出された杖に持ち替えて構える彼女と向き合う
闘うとは違うけれど人生は賭けるつもりだ
彼女も同じなのだろう
目の据わり方が尋常ではない
僕はタクトを握り集中する
だけど一番の祈りって何だろう
一瞬迷ったけど、それ以外はないと心は決まる
作法なんて、呪文なんて知らないけど祈った
今まで生きてきたこの命の全てを乗っけて祈った
血は逆流し燐光さえ見るほどに
僕の魔法は今まさに臨界を越えようとしていた