僕とジュジュの冒険9
暗闇に目を凝らす
暗い街頭のひ弱な光が僕の願望を浮き上がらせてくる
ホウキのような長くて大きなものを抱えているが
確かに彼女だった
「何してるのって こっちも聞きたいよ あぁ、久しぶり…」
「え? 私は別に…」
彼女はうつむいて言い訳混じりに
「飛ぶ練習を少しと…」
「少しと?」
と僕は気弱に問い詰めてしまった
「あとは…、そうね その 」
「心をね 魂をか あの…」
言いにくいことなんだろうと察しはつく
むしろ どんなことかなんて聞きたくもないことだろう…
胸が苦しくなる
「運命なんかじゃないの、宿命なのよ」
ため息混じりの愛しい声が少し震えていた気がした
「そんなことより なんでアンタここにいるのよ」
「ひとりになりたくて…」
「いや違うわよ、なんで街に出てきたのかってことよ」
僕は口籠ってから 他人事みたいに呟いた
「ジュジュって子に会いたかったんじゃないかなぁ ゴン君は」
「ばっ、馬鹿!」
少しの沈黙が甘く感じたのはなぜだろうか