再)駄々な超短編シリーズ『reversible人間』 | ゴン駄々吉 嗚呼、今宵もわんぱくの粋

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世界はいつもそれ以上でも以下でもなく、ただ世界としてそこに存在する。色眼鏡で世界を覗こう!さすれば世界はそれ以上にも以下にもなりうる。世界は僕のモノであり、僕のモノでない。


俺は今日からreversible人間


進歩した整形外科手術により

自分のとは別にもうひとつ顔を付けて貰った。


反町隆史。

これで好きなときに反町の顔になれる。

第1希望は菅田将暉であったが、著作料が高くローンを組むにはそれが限界だった。


腐っても反町隆史。

その効力は絶大でキャバクラでもなかなか受けがいい。

良い買い物をした。

reversibleな人間になり俺は満足いく毎日を過ごしていた。


ある日、

俺は見てしまった。


社内、高感度No.1の田中

あの田中が・・・

子猫を蹴っていた。

壁際に身を潜め田中の言葉にならない言葉をなんとか聞き取った。


「みんな死んでくんないかな...


俺は高額な治療費を支払いreversible人間になった。

でももしかすると田中は生まれながらのreversible人間なのかも知れない。




                                        おわり