メスティンなる物が流行っているのは知っていた。
だがオレは頑なにそれを拒んでいたのだ。考えてもみろ。男が外で飯を
炊くなら兵式飯盒だろ?
そもそもメスティンって名前が何となく卑猥だ。
しかし、敵を知り己を知れば百戦殆うからずと、古今亭志ん朝の言葉にもある
ので、近所のドンキにあったパチモンを買ってみた。サイズはMで1.5合炊きだ。
安っぽいアルミの造りは大陸や南方の戦線で使われた歴史ある軍隊色の
兵式飯盒に比ぶれば趣も無いが
まぁ、いい。取りあえず牡蛎とコーンの炊き込みご飯を作ってみる事にする。
メスティンに研いだ米に牡蛎のむき身とホールコーンを放り込み、顆粒のあご出汁を
適当に入れ、醤油と酒を大さじ一杯ずつ、内側に記された1.5合の線に合わせて水を
注ぎバターを一片乗せてガス台にかけた。
箱の説明通り中火で20分、バチバチ音がして来たら、火からおろし蓋を下にして
10分蒸らす。
緑の物が欲しかったな。ちょっと色目が地味だったが、出来上がりだ。
良い感じにおこげも出来きて、牡蛎の出汁も出て味も良い。
うーん、いいんじゃね?メスティンも。フンだ。
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