ゴルフクラブをフィッティングする。という事とは・・・ | クラブ職人の徒然草~2
2019年04月12日(金) 12時56分57秒

ゴルフクラブをフィッティングする。という事とは・・・

テーマ:ゴルフクラフトマンとして
今のアナタに合ったクラブスペックをフィッティングします。

魅力的な言葉です。

ワタシに合った仕様のクラブを手にしたらもっと上手く打てるんじゃないか。
もっと上手くなれるんじゃないか。

確かにそうです。実際そうなんです。が・・・

この言葉には大きな落とし穴があります。

その方が正しいクラブの使い方をしているかどうか、という話が欠落している、
ということです。

あるお客様の例ですが、
男性。年齢40歳前後。身長176cm。学生時代は体育会系の運動部。
実際に非常にパワーもあり、筋肉質で体型もスポーツマン体型を維持。
クラブを振ってみてもらえば大変なヘッドスピード。

その彼がある工房ショップで「今の貴方にはこの仕様がぴったりです」と、非常に高額で作られたオーダーアイアンは
ヘッド:有名コンポーネンツブランドのストロングロフトモデル。
シャフト:80g台のスチールでRフレックス。
スイングバランス:シャフトなりの軽めのバランス。
ライ角:この方の身長に対しては非常にアップライト。

なんでこれだけの体力・筋力を持った若い方にこんなシニア仕様みたいなクラブを渡したんだろう・・・

答はスイングをしていただいて分かりました。

この時のこの方のスイングはトップオブスイングで右わきが割れて大きくシャフトクロスし、
ダウンスイングでクラブが寝て大きく外回りをしながらフェイスが開いて降りてきて、
インパクト前で腕力で立て直してフェイス面を合わせる。

というもので、このスイングではスイング中に発生する遠心力ほか、ほぼ全ての物理的な力に逆らって、いわばインパクトではクラブを下から上に振り上げて打っているのと同じだったわけです。

これではいかに強い腕力・筋力があっても、本来そのパワーに見合うはずの重く硬いクラブは到底コントロールすることは出来ず、なるほどこれほど軽く軟らかいクラブが打ちやすく感じたはずです。

つまり、「今の貴方の今の打ち方に合ったクラブ」だったわけです。

しかし、その後練習をして上達していくうちに(まだこの時は自我流スイングではありますが)このクラブがどうにも打ちにくい。
というわけで当工房にご相談に来られたという経緯です。

冒頭の「今のアナタに」にはその前に隠されている「間違ったクラブの使い方でしかスイングしていないけど、そんなことは知っちゃいない。とにかく」今の貴方に・・・があったという事例です。

この方、今では良いコーチから良いレッスンを受けられて、使用しておられるクラブはダイナミックゴールドS200の入ったもので、そりゃそのパワーならそのくらい飛ぶよね、というほどの飛距離を打っておられます。

スイングは百人百様?確かにその通りです。形は百様。

でも、トップアマ、トッププロと呼ばれるすべてのスイングはクラブの動かし方の物理的な要素、パワーのベクトルは同じです。

でなけりゃあんなに正確にあんなに遠くまで球を飛ばすプレーヤーがあんなにたくさんいるはずがありません。

これが私の言う「正しいクラブの動かし方」。

当工房の「クラブフィッティング」のコンセプトにスキルレベルという要素はありません。
そして、その仕様にする理由は?と聞かれれば、
この仕様なら正しいクラブの動かし方を習得でき、上達に導いてくれるから。です。

これでないと「今のアナタ」は球が打てないから。ではありません。

下手を固めるクラブを作らないということです。