人間が被ばくしたらどうなるのか?
被ばくについて教えるって難しい。
くさばっちです。
そもそも、放射線が人体に当たった(被ばくした)とき、どうなっているのか?
放射線に関しては目に見えないので、どういう原理で人に害を与えるのかがなかなかイメージしづらいです。
放射線が人体に向かって照射されたとき、その放射線はどこに行くか分かりますか?
正解は…
通り抜けます。
ん?
通り抜けるんなら、別に被ばくしても身体に影響ないんじゃね?
そう思った方もいると思います。
しかし、ただ通り抜けるだけじゃない。
通り抜けるときに、細胞(の中のDNA)を傷つけていきます。
イメージしてください。
真っ直ぐな道があり、先を見ると沢山の人の群れ(細胞)が通り抜けるスペースがないくらいぎゅうぎゅうの状態で立っています。
※赤が道を通り抜ける人(放射線)、黒が人の群れ(細胞(DNA))だと思ってください。
放射線は何かにぶつかるまで真っ直ぐ進んでいきます。
そして、ぎゅうぎゅうの群れの中を押し抜けるように通過します。
実際は通り抜ける際にいろんな原理で細胞が傷つけられます。しかし、ほとんどの場合はこのように修復されて元に戻ります。
ただ、この通り抜ける放射線が強かった場合(たとえば赤が車やトラックに乗っていた場合)、この細胞が死んでしまったりして修復できないことがあります。ある程度死んでも増殖したりして正常細胞に置き換えられますが、あまりにも大量に死ぬと厳しい状況になります。
このように細胞が大量に死んでしまい機能しなくなってしまうのが、脱毛だったり不妊だったりするわけです。
また、傷ついた細胞が異常な状態になると(通り抜けられた際に、普段は大人しい隊列の中の一部が突然キレたりして通常の雰囲気から一変すると)、ガンの元になります。
そうなっても大概は免疫とかがうまく対処してくれるのですが、そこで対処しきれなかった分がガンになるということになります。
前者(脱毛や不妊)はだいたいどれくらいの線量で死んでしまうか予想ができるため、影響が出始める線量(しきい値)というものがあります。
これを確定的影響と言います。
後者(ガンなど)は人がどこで怒るかはっきり分からないのと同じように、どの線量で発生するかは予想できません。なので、しきい値というのはありません。
これを確率的影響と言います。
以上のように放射線はただ通り抜けただけです。そこに残ってとどまることはありません。
通り抜ける際に身体の細胞(DNA)でいろんな反応が起きますが、だいたいは修復されます。
しかし、修復できずに細胞が死んでしまったり異常になってしまうと、それが人体への障害として出るのです。
なので、レントゲン撮影やCTなどで被ばくした場合、放射線が体内に残ったりすることはあり得ないのです。
今日はここまで。