そして松葉杖になった。
松葉杖での暮らしは 想像以上に不便だし慎重になる。
杖の先は床に垂直でないと滑るし、杖を脇に挟んだままでは手の届く範囲が狭くなる。
事故のあった直後から なんとなく誰かに見られているような気がしていたけれど、
それから3年後、それが露骨になった。
初めて気づいたのは 車に乗っているときだった。
割り込んできた車のナンバープレートに同じ数字がならんでいた。
割り込みのタイミングも絶妙で印象に残った。
それから数キロ走った後、また同じ車が前にいる。
偶然かなと思ったけれど 同じ数字が並んだナンバープレートの車がまわりにたくさん