ガーガー、ワーワー

 

うるさいなぁ…

 

ハッと覚醒して

 

手術中?

 

と思い出して目を開けると

手術室に行く前のブースにいるのが分かりました

 

壁の大きな時計は12時50分を表示しており

手術が無事に終了したのを理解しました

 

最初の感想は「生きてた…」

大げさでなく心から感謝しました

実は以前、近しい人が全身麻酔から目覚めずに

亡くなったことがあったので

もしもの時を想定して

簡単な遺書を両親とバンにしたためておいたのです

 

手術は2時間くらいで終わったんだなぁ

と改めて自分の状況を確認すると

麻酔技師が言っていたように痛みは全く感じません

下半身動かないかなと足の指に力を入れると

かろうじて動くので安心しました

 

ブースのカーテンは明け放たれていて

そこに低い簡易椅子を置いてナースが座っており

私が動いたのに気づいて「目覚めたのね」と言って

近づいてきて「もう少ししたら病室に移動しますね」

と言って簡易椅子に戻り電話していました

電話の相手に「うまくいきました」みたいなことを

フランス語で話していたので

バンに連絡してくれてるんだなと安心しました

 

それにしてもブースの周りは

大音量の館内放送やナース達が大声で話していて

すごくうるさかったのですが

もしかしたら術後の人が麻酔から

早く目覚めるようにわざとそうした環境にしてるのかな

と思いつつ、ある変なことに気付きました

 

私の担当のナースも含め

フロアを行きかう人全てが皆揃って小さい

まるで全員が小人のようでした

その時の私は、

「あぁ、このフロアは特別に小さい人たちで形成されてるんだなぁ…」

と何の疑問も感じずに、家に戻ってその話をバンにすると

彼は笑いながら「全身麻酔の影響で視覚がおかしくなってたんだよ」と

最初は「あれは現実だった!」と反論しましたが日が経つにつれ

「確かにあの状況はおかしかった…」

と思うようになりました

 

頭も体もボーーーッとしていたのですが

何だか異常にお腹が減っています

そういえば、昨日の8時以降はジュース以外

口にしてなかったのを思い出し

今日は何か食べれるんだろうかと

ウトウトしていると二人のラテン系の男性が表れて

「部屋に移動するよー」と元気よく言って

病院の中をジェットコースターのように

すごい勢いでベッドを転がします

二人で私に冗談を言いながら

楽しく連れて行ってくれたのですが

空腹でベッドを振り回されたので

病室に着いた時にはすっかり気持ち悪くなっていました

 

彼らが去っていくと

ナースが数回、血圧と体温を測りに来ました

部屋は一人部屋でバスルームも室内にあり

他人を気にする必要がなかったのはありがたかったです

CHUMで入院したことがある友人が

ここは全室一人部屋だから居心地がいいとは聞いていましたが

巨大病院なので相部屋もあるのではないか疑っていたのです

 

写真はベッドから撮影した部屋の様子です

壁のスクリーンがテレビだったかどうか

使用していないので不明

 

 

一人になって改めて自分の状況を確認すると

患部の痛みを感じないように

背中にチューブがつながっていて

左手の甲には点滴

あとは尿を取るチューブがつながっていて

体を動かしづらい状況でしたが

まだ頭がぼんやりしていて常にウトウトとしていました

時折ナースが血圧と体温を測りに来る以外に

私のキャリーケースを届ける人が来たり

「アイスキューブ(氷)はいる?」と

各部屋を回る人がやってきました

その時は氷なんて熱のある人が冷やすために使うんだろうか…

と不思議に思ったものです

 

何度もウトウトしている間に

窓の外はすっかり暗くなり

壁の時計は6時を過ぎていました

今までと違うナースが表れて

「夜間担当のナースです」と挨拶して

血圧と体温を測った後

 

「間もなく夕飯が届くけど、ベッドの横にある椅子で食べれる?」

 

と聞かれ

手術後はなるべく動いた方がいいんだよなと

「YES」と答えて夕食が届くのを待ちました

 

この日は食事はないのだろうと諦めていたので

食事と言われたら食欲が湧いてきました

 

(つづく)

 

 

手術から7週間が経つと

もうかなり普通の生活ができるようになりました

ただ、2週間ほど体をろくに動かさなかったので

身体中の筋肉が落ちてしまいまい

現在、取り戻すのに必死です

といっても筋トレなどをする訳でなく

「ラジオ体操+α」を毎日行っています

 

「ラジオ体操」を馬鹿にしてはいけませんよ〜

私は子供の頃からスポーツを色々としていて

大学のために福岡を離れてからは

常にジムに通っていたのですが

ある時、帰省すると

母がお昼のNHKの「ラジオ体操」をしていたので

一緒にやったら、意外に息が切れ

それを機会に今までほぼ毎日「ラジオ体操」をしています

「ラジオ体操」を本気でやると結構運動になります

ラジオ体操は第一だけやってあとは音楽に合わせて

柔軟体操をしています

 

大人になって気づいたのですが

柔軟体操って簡単だと思っていると

できない人って意外にたくさんいてびっくりしました

私は中学の体育の先生が新しいことを取り入れるのが好きで

講習に行ってそれを運動部の生徒に指導してくれ

基本的な柔軟体操をマスターしました

当時は部活が嫌で嫌でたまりませんでしたが(必須だった…)

今は先生に感謝です

 

20代の時は、朝起き抜けに

腹筋背筋腕立て伏せを50回ずつやっていたのですが

元気だったなぁと感心します(笑)

 

もしも若い方でたまたま読んでいらっしゃったら

若いうちはダイエットとか言ってないで

是非、運動することをオススメします

歳を取るにつれやっててよかったって実感しますよ〜

 

 

 

その他、カナダの医療と子宮筋腫手術について