伊南房州通往還を歩く 第一回 浜野-茂原 その7 | らんまるの街道歩きブログ

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三連休初日の2020年8月8日(土)に、伊南房州往還が房総往還から分岐する地点(千葉市中央区浜野)から、外房の入口と言える茂原までを歩いた旅の記録の第7弾です。

 

当日歩いたコースと主な見どころは↓の通り。

歩いた距離は、街道部分で28kmくらい、寄り道を併せたら30km弱くらいかと思います。

 

その6では、街道から外れたところにある名主屋敷のようなお宅の立派な長屋門を見に行ったところまでをご紹介しました(☟再掲)。

 

街道に戻って進むとすぐ右側に今は全棟廃墟になってると思われる、昭和の平屋住宅が並んでいました。

壁も木造ですね。昭和30年台くらいでしょうか。自分は昭和40年代の長屋的な住宅で育ちましたが、この住宅は「懐かしい」よりももう少し前のものの気がします。

 

そのすぐ先の敷地には今度は私自身がとても懐かしく感じるタイプの長屋的平屋住宅がありました。

小学五年くらいまでは本当にちょうどこんな感じの住宅で暮らしてました。

 

その先、やはり街道の右側にはZAZというやたらド派手な建物の廃墟が。

壁には「Don't be hard on yourself」「Give yourself a break」(あんま自分に厳しくせんと、ひと息入れてやんなよ)みたいなことが書いてありますが、要はかなり前に廃墟になったパチンコ屋みたいです。

廃墟などを収集してる人のHPで見たところ、もう何年も前から廃墟になってる様ですが、以前は「PACHINKO」と書いた柱が道路沿いに立ってたそうです。

 

その先では街道にかぶさってくるような大木が右側にあり、その大木の向こうは牧場がある様で、それらしい香りがしてきました。

 

とちょうど↑の写真を撮った辺りで斜め左後ろに切れ込むような坂道を上がって行く住宅があったので、ふと見てみると、、

ここにも長屋門がありました。人の気配があったので、これ以上踏み込むのは断念。こういう構造で長屋門の全体像を見ようと思うと、完全に敷地の中に入っちゃいますからね。。

 

他にも茅葺トタン被せと思われる民家も付近で発見しました。

こういうタイプの民家をたくさん見たいとするなら、伊南房州通往還はパラダイスの様な街道ですねえ。

 

その時後方からものすごい大音声で牛の「モオオォォッゥッ!」という鳴き声が聞こえたので思わず振り返ると、さっき通り過ぎた牧場にめっちゃ大きな牛が居て、彼(彼女)の声だったようです。

牛は大きな動物ですがそれにしてもこの牛は大きかったです。恐らく高さだけで2m近くあったと思われます。

 

この辺りも一面の田んぼの向こうに低山が見える、という風景が広がっています。

青空の下なら景色はもっと良いですが、この日はこの薄曇りのおかげで気温が上がり切らずに済んでいるので贅沢は言いますまい。

 

その先↓の地点で街道は県道から左に逸れて旧道に入ります。

 

早速また大型屋根の民家があります、これは結構新しそうに見えますが、茅葺トタン屋根被せをかなりリフォームしたのか、それに似せて新しく建てたのか微妙ですが、恐らく前者かなという印象。

軒下など細かいところが見られないので言い切れませんが、たぶん。

 

この辺りは住宅が現代的になったくらいで、昔の景色とそんなに激変はしていないのかも知れません。

 

ほどなく県道に再合流します。んー、通りの感じが少し「地方都市の郊外」っぽい風景になってきた気がします。

 

更に進んでゆくと「船着神社」というバス停を発見。他の部分は汚れてるのに白抜きのバス停名だけ妙にきれいにクッキリしてます。

この時12:10くらい。お腹空いてきたなあ。

 

そのすぐ近くに、バス停の名前にもなっている船着神社がありました。

この近くには一宮川の支流、豊田川が流れており、水量が豊富な時なら九十九里浜の方から船でここまで上がってこれたでしょうから、それに由来した神社なのでしょうか。

 

田んぼの稲もしっかりと稲穂が形作られてきていますね。

今年は雨多過ぎだったけど、美味しい米になっておくれよ!

 

交通量が多すぎて道路の反対側に回れないのが残念ですが、平屋の看板建築で廃業後久しそうな物件がありました。

 

店名などの手がかりもなく、反対から見ても何の商売をやっていたのかはちょっと分かりませんでした。

クルマも停まってるし、住居部分の感じからすると無住ではなさそうな印象です。

 

その平屋看板建築を境に完全に「地方都市付近の風景」に変わりました。

街道をよく歩かれるかたは「ああ!」と思われるのではないでしょうか?やたらとクルマ屋とファミレスが並ぶこの感じ。こうなってくると暫く街道風情みたいなものは期待しづらくなります。

 

私はこのまま真っすぐ国道128号との交差点まで進むルートを選択しましたが、もう少し南(↑の写真で言うと右側)の豊田川沿いを進む道の方が或いは街道の本筋だったかもしれません。

 

私が真っすぐ歩いた理由の一つが、↓のヤマダ電機です。

この日はかなり気温は控えめ(それでも32度くらい)になってくれたのですが、それでもこの辺りで完全に顔がポッポしてきたので、クールダウンしようと思ったのです。顔のほてりは熱中症の第一歩ですからね。

 

店内に入ったらまず扇風機売り場を探し、その中でも天井のクーラーからの風が直接当たるところを選びます。そうしてその真ん前にある扇風機を強風で浴びる、を3分ほど続けると、あっと言う間に体温が下がりました。

せっかくなので、万歩計に使うリチウム電池を一つ購入し、熱中症を防いでくれたお礼とします(+店の自販機でリアルゴールドを買って一気飲み)。

 

国道128号との交差点で国道を横切ったらそのまま右折して南方向に進みます。

 

道なりに進むと豊田川を渡る橋に出るので、橋は渡らずにここで左折して川沿いの道を進みます。

 

因みに渡らなかった橋は「さかもりはし」とありますね。「酒盛橋」??

 

さかもりはしの上から豊田川を見ます。

私は向かって左側を進みますが途中で水辺に下りられそうですね。

 

おっと、このすぐ横にあるショッピングセンターアスモの看板で「茂原橋から酒盛橋の間を愛称「天の川」とし、七夕のまち茂原を盛り上げていきます」と言ってますね。

そっか、天の川ね。"さかもりはし"が「酒盛橋」なことも確認できた!

 

その先川べりに設けた階段で水辺まで下りてみます。何か土手の草が傷んでるような感じですね。

 

そういえば立ってる階段もドロドロです。

ああ、これはつい先日あちこちで大きな被害の出た洪水の時の増水の跡ですね。

 

川沿いの道に戻って対岸を見てみても、土手が一部崩れたような跡も見えます。

かなり増水していたのが分かりますね。どんな様だったかを考えると恐ろしくなります。

 

ここから茂原駅付近までは多少街道ルートが不確かですが、残りはその8でご紹介します。

 

(あと1回つづく)