オバマ大統領が旗をふる「グリーンニューディール政策」の
柱の一つに「送電線網」の整備があります。これは、企業や家庭で
行なった太陽光発電で余剰が出たら、国が通常料金の2倍の
価格で「電気」を買い取るための「送電線網」です。

電気を賢く「作る」「使う」「ためる」システムとして
次世代型の電力網は「スマートグリッド」と命名され、
このところ景気浮揚の目玉としてがぜん注目されています。

オバマ大統領のコメントは、
「たとえばサウスダコタの風力発電所から(1500キロ離れた)
シカゴに電力を送ることができる。市民が(家庭用コンセントで
バッテリー充電する)プラグイン・ハイブリッドカーを使って
蓄電した余剰電力を(電力需要の)ピーク時に売ることもできる」
といった調子で、次世代の生活のイメージをアピールしています。

ただ、「スマートグリッド」はエネルギー政策の大転換を図る構想ですが、
一般家庭には複雑な波紋を投げかけそうです。

国が電気を買い取るための資金をどこから捻出するかといった問題です。
仮に、通常の電気料金に加算されるとなると、低所得者の負担と
なる可能性が高まります。

つまり、太陽光発電のできない貧困層から、太陽光発電が可能な
世帯への所得の移転が生じる可能性です。

太陽光発電を推進することは、地球環境のためには正真正銘の「善」です。
ただ、その裏側にひずみや、悪徳がないとは限りません。
ネガティブな要素にも目を向けていくことが大事な時期でもあります。