ただの妖精図鑑でしょ(>_<)!!!~スパイダーウィックの謎は謎のままに・・・・・・~
4月8日(水)今年二度目の試写会にて鑑賞。
「スターウォーズ」「パイレーツ・オブ・カリビアン」でお馴染みの特撮工房ILMが視覚効果を担当。
映像面にかなり期待。
予備知識なしに鑑賞。
「ライラの冒険」の時も思ったが、特撮の技術の圧倒的な進歩に目を見張る。
よくぞここまでと感心することしきり。
物語はスパイダーウィック家で発見された、封印されていた謎の書をめぐる、邪悪な妖精VS人間の攻防を描く冒険譚。
主演のフレディ・ハイモアの兄弟二役の演じ分けがお見事。
好奇心旺盛な兄、聡明な弟。
とても同一人物が演じているようには見えない、伸び伸びとしたナチュラルな演技。
何と言っても、この作品で特筆すべきは、妖精たちの造形。
スパイダーウィック家の守り神、善の妖精シンブルタックの二重人格ぶりが面白い。ブラウニーがボガート(悪の妖精)に変わったときの切れっぷりが怖いと言うより、何処か愛喬があって憎めない可愛らしさ。
好物のハチミツを与えた途端、ぴたっと大人しくなるという、そのギャップが何とも可笑しい。
悪のボス、マルガラス、「48時間」「ケープフィァー」でお馴染みのニック・ノルティだったとは・・・
全然気付きませんでした。
蛇、鳥、人間と何でもござれの百面相は楽しめる。
特に、家族崩壊の危機を利用した心理作戦は敵ながら天晴れ!
観ているこっちは何となくそれと気付くのだけれど、観る側のツボをちゃんと抑えた裏切り方は小気味良い。
怪鳥グリフィンの飛翔のダイナミズム。
風の精の幻想的な恐ろしさ。
この物語の犠牲者の一人、ルシンダおばさんの顛末は少し意外。
ああならなければ、アーサー大叔父さんとはベスト・カップルな感じだったのに・・・と思ったのは私だけではないはずだ。
ホグスクイールのキャラクターが秀逸。
マルガラスへの復讐に燃える熱血漢だが、鳥に目がなく
鳥を見ると何でもそっちのけなのが笑を誘う。
不思議な唾液の効果も面白い。
彼の性癖を活かした最後のギミックは上手い!
敵役の妖精の造型が恐いのだけれど、何処かユーモラスで可愛い。
そのアンバランスなところが魅力的。
それから、冒険物には必須の姫の存在がないのが淋しい。
守るべき絶世の美女の存在は重要だ。
例えば、「スターウォーズ」におけるQUEENアミダラとか、「ネバーエンディング・ストーリー」
における幼心の君とか・・・(古いっすか?)
逆に「スターウォーズ」のキャリー・フィッシャー演じるレイア姫や、「ゴッドファーザーPART3」におけるソフィア・コッポラ演じるメアリー・コルレオーネのように、何でこんなブスを命を賭けて守るんだというくらい、疑問を抱く守る気も起こらない姫も存在するが。
長女マロリー演じるサラ・ボルジャー、自身が剣の達人なので、守られるというよりは♞KNGHTのように守る存在になってしまっているので、姫ではない。
最後まで謎だったのは
何故にあんなにやっけになって、謎の書を奪おうとするのか?
謎の書を手に入れると、具体的にどういうことが起きるのか
どんな力が手に入るのか?
単なる妖精図鑑が敵さんの手に渡ると、どんな悪い影響が
この世に起きるのか?
そこがさっぱり分からないので、マルガラスの執着が良く分からない。
何もそこまで?
と思ってしまうところが最大の難点か。
そこを突っ込んでしまうと元も子もないのだが
観た皆さんに聴きたいです。
謎の書って一体何なんですか?
ただの妖精図鑑でしょ?
公開は今週末4月26日(土)