森永のキャラメルのように甘く切なく
どうもお久しぶりです。
咲太郎です。
皆さんお元気でしたか?
私は生きてましたよ。
さて、Kaoru Amaneこと沢尻エリカ凄いですね~!
デビューシングル『タイヨウのうた』
オリコンチャート初登場二位
翌週は堂々の第一位
初回限定版に至っては売り切れだそうです。
ドラマ自体はそんなにヒットしていないのに
この曲自体は売れまくってますねえ。
数週間前、某工事現場の詰所にて充電中の携帯電話が3台ほど鳴ったのですが
その着信音(着うた)がこの『タイヨウのうた』でした。
偶然にも3台とも・・・。
「うわっ、俺と同じだっ!」思わず自分の携帯を確認しましたよ(笑)。
大物アーティストを差し置いて大したもんだよ、沢尻エリカ!
という訳で、本日仕事が予定より早く終わったため、
『シュガー&スパイス 風味絶佳』行って来ました。
今まさに旬の女優、沢尻エリカと「誰も知らない」「星になった少年」で高い評価を得ている
柳楽優弥主演。
脚本はTVドラマ「妹よ」「みにくいアヒルの子」「ビギナー」など人間ドラマに定評のある
水橋文美江。
そして監督は私の大好きな演出家、中江 功。
(これは余談ですが、水橋さんは中江監督の奥さんだそうです。)
「愛という名のもとに」第七話で初演出。
「ひとつ屋根の下」「若者のすべて」「ピュア」「おいしい関係」「ギフト」「眠れる森」「Dr.コトー診療所」「プライド」
など数多くのヒット作を手がける。
でも、私が彼の演出作品で好きなのは野島伸司脚本の「この世の果て」
それから長瀬智也、中谷美紀主演の「DAYS」。
この人の作り出す濃密な世界観、画面から匂い立つ空気はTVドラマ演出家の中では随一!
特に、「この世の果て」での無駄を一切排除したあの救いようのない暗い世界は見事と言うしかない。
大好きです!
映画としては監督2作目、第一作の「冷静と情熱のあいだ」は正直期待はずれだったのだが
この『シュガー&スパイス』は正にタイトルどおりの風味絶佳!
中江監督万歳!!
とても美しくて切ないラブ・ストーリーに仕上がっている。
まず中江監督作品の特徴でもある、視聴者を一気にその世界に引き込む美しい映像。
福生が舞台とのことだが、全然日本に見えない。
アメリカの片田舎のように見えるから不思議。
柳楽くん演じる志郎が働くガソリン・スタンドもといGAS STATION(映画の中での発音いいですよ~、“ギャ-アス ステイシイョン” 聞かせられないのが残念) 。
社長が黄色好きで、制服まで黄色というのがいいですね。
私も黄色好きなのです。
どうでもいいことですが(笑)。
これです、これ ↓ いいですよねえ。
欲しい!
特に秀逸だと思うのは志郎が沢尻エリカ扮する乃里子に惹かれて行く所と二人の交流シーン。
時にテンポよく、時にゆったりと時間が流れ、その中で二人の関係が丁寧に積み重ねられて行く。
何よりも私は男なのでエリカちゃんの笑顔と泣き顔にノック・アウトでした。
劇中「その笑顔は完璧だった」と柳楽くんに言わせているように
ホントいい表情を見せてくれます。
夏木マリさん曰く「彼女はきっと私より恋愛してるよ。今度ゆっくり彼女の恋愛話を聞きたい」
だそうです。
中江監督曰く「彼女はビジュアルだけでも十分いけるのに演技に貪欲で、根性があるのがいい」そうです。
「パッチギ」「タイヨウのうた」そしてこの「シュガー&スパイス 風味絶佳」
と観て来て、好きな女優のひとりになりました。
私が好きなシーンは二人が初めてキスするところ。
「送ってくよ。それとも泊まってく?」
「イヤ」
「じゃあ(送るよ)」
志郎送ろうとする
「イヤっていうのはイイっていう意味だよ。
イヤとイイはたった一人にだけは、同じ意味になるんだよ」
(記憶を辿っているので多少表現が異なるかもしれません)
この台詞にはドキッとしました。
そして自分が最近ドキドキしていないので、ちょっと羨ましく思いました。
いくつになっても、恋愛においてはトキメキがないといかんなあと。
それからやはり、ノンちゃんが元彼に部屋の鍵を返しに行った後の雨のシーン。
キスシーンに繋がるシーンですね。
ここは二十テイク以上も取り直したくらいの拘りのシーンだそうで、
その成果は十分出ていたと思います。
柳楽くんに演劇の神様が降りた瞬間だったそうです。
このシーン以降の彼の芝居に注目です。
乃里子は結局志郎を振って、元彼のもとに帰ってゆくのですが
エリカちゃんはその過程を非常にうまく演じていたと思います。
「お前は俺じゃなきゃ無理だよ。俺もお前じゃなきゃ無理なんだ」
こんなことを元彼から言われたらどうなんでしょう?
やっぱり揺らぐものですかね、実際。
私はそんな経験ないものですから・・・・・・。
乃里子のとった行動を「ひどい」と思うのは男の方が多いようです。
逆に女性は共感する人が多いようです。
そんな風にエリカちゃんが申していました。
男と女の見解の違いでしょうね。
乃里子は結果として志郎を振るわけですが、でも決して嫌な女に見えない。
それは彼女にとって志郎との時間も真実であったから、嘘偽りではなかったから。
その辺の心の動きが丁寧に描かれていて、さすが水橋さんの脚本だなと思いました。
でも、切ないですね。
一目会って、一言伝えたい!
ペダルを漕げども漕げども追いつけない。
思わず志郎に同化して、スクリーンに見入っている自分がいました。
バイ・プレイヤーの存在もアクセントとして見逃せません。
出番は少ないけど妙に色っぽい岩佐真悠子ちゃん
怪演冴え渡り、一番笑いを取っていた佐藤二朗さん
佐藤二朗さんとコントのような芝居で笑わせてくれた大泉 洋さん
とぼけた味わいが可笑しい板倉俊之さん
素顔が分からないよ社長役金田明夫さん
忘れちゃいけないのがグランマ役夏木マリさん。
凄い存在感ですよね。
夏木さんなら70歳で若い恋人がいても全然違和感がないように思いました。
このキャスティングは絶妙だと思います。
アメリカかぶれのこのおばあちゃん、夏木さん以外には思い当たりませんもの。
彼女の存在がこの作品をより深いものしているのは確かです。
彼女が志郎やノンちゃんに語る台詞はどれもが心に残ります。
私は
「一日一回、寂しいって思うことが人を愛するコツだろ?」
「タフと優しさの割合が難しいんだよ」
って台詞ですかね。
正確かどうかちょっと怪しいんですが・・・(笑)。
“優しいだけの男は逃げられる”と。
“強さ”もないとね。
はい!肝に銘じます。
グランマが昔の恋人がくれた写真と同じ景色“ダイヤモンド富士”を見るために、ドライブに行くところもいいシーンですね。
とにかく映像が美しい!
これは是非ブラウン管ではなくスクリーンで!
忘れていた何かを取り戻せて、恋愛に関して新たな発見がある。
そして自分自身も成長出来る、そんな映画です。
最近よく考えるのが、
“映画一本観るにしてもその中でひとつでも財産となる何かを発見できたら”
ということです。
この作品は間違いなく財産のひとつになりましたねえ。
お薦めです。
↑ どうです? シュガー&スパイス携帯ストラップ
黄色だったもので、ついうっかり買ってしまいました。
携帯も黄色なので、ぴったり(笑)!