かもめ

飛んではすぐに

視界から消えて

 

何が欲しいの?

何を捨てたい?

前を見つめたまま

去って行く

 

彼女の目は

時間にはぐれたように

影が泳いでいるのが

 

何も無いから

身軽よ

今日はそうつぶやくように

 

空の大きさはもう

わからなくなっている

その果てに

消えて行く

 

彼女を今日も見送った後

静かに頷きながら

又歩き始めている

 

夢の中へ

彼女と同じように

過ぎるのを感じて