コンコン・・

遠慮がちにドアが叩かれる。

 

部屋の明かりが点いてる事に気付いた

美作の使用人である立花さんが部屋に入って来て驚いている。

 

「牧野様・・まだ寝てらしてないといけませんわ。・・こちらは花沢様ですか?

あきら様から、お隣のお部屋で今夜はお休みされると伺っていますのに。」

 

「類、ここで寝てしまったみたいで・・こうなったらもうこの人は絶対起きないと思うので

すみませんが、毛布を2枚程貸していただけますか?」

 

「それでしたら、お隣のベッドにお運びしますわ。

ここでは寒いでしょう?牧野様のお隣の空いてるベットで宜しいですか?」

 

「類は私を心配して、この部屋に来てくれたんだと思います。

優しい人ですから…。」

 

「牧野様はお幸せですね。」

 

「…はい。」

 

男性の使用人の人が2人でつくしの隣のベットに類を寝かせてくれて

頭を下げて出て行った。

つくしはトイレに行き、一応熱を計ると36度8分に下がってて

水を飲むと少し気分も良くなっていた。

 

「あの・・立花さんすみませんでした、お世話になって熱も下がって来たので

もう大丈夫です休んでください。」

 

「いいえ、私の事はお気になさらないでください。

また朝になったら様子を見に来ますので気になさらずお休みください。」

 

「ありがとうございます。」

 

立花が出て行くとつくしは隣のベッドで眠る類を見ていた。

 

疲れた顔をして寝ている類

 

もしかしたら、もうこんな風に類の寝顔を見るのも最後かも知れないと

思うと自然に涙が零れ落ちた。

 

 

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