「へえー記憶が無いって・・

記憶喪失ってやつなの?それってやっぱり事故かなんかで?」

 

「まあ、そういう事です。」

 

この人・・天然なのかな?初対面の人間に聞き難い事を聞くわね?

まあいいや、適当に話合わせてたらいいわよね?

足湯で暑くなったしマスク取っちゃおう。

どうせ、もう会わない人だしね。

マスクを美桜が外そうとしてるのを見ている男に

マスク外した顔見せたら何て言うんだろうか?

 

「えっ、マスク取っちゃっていいの?それって顔の傷とかを

隠してるんでしょう?」

 

「いいんです、私の自由ですから。」

 

マスクを取ると美桜は男の顔を睨みつけた。

 

「…へえー可愛いじゃん。あんた傷なんか全然無いのに何故マスクしてるの?」

 

傷なんか全然ない‥やっぱり私の顔には傷は無いんだ。

 

「‥私の顔に傷なんか無いですよね?」

 

「自分で鏡で確かめたら?」

 

「それは・・したんです。

でも、私には顔に交通事故の轢き逃げに遭った時の傷があって

整形を繰り返す必要があるって・・私が変なのか

医者が変なのか分からなくて・・自分の身元も本当なのか

疑心暗鬼になってて‥凄く怖いんです。

あなたも突然見知らぬ人間に・・・

こんな事言われて吃驚でしょうけど?

私、知らない人に私の顔を見て貰って

顔に傷は無いと言って欲しかった・・

手術の傷跡も無いって・・誰かに言って欲しくて・・

周りの人間誰も信じられなくて・・怖くて孤独で

本当にどうにかなって・・しまいそうで・・うっくっ・・

私…私・・・っうわあーーーん」

 

「辛かったんだね、でも大丈夫だよ。

顔には傷は無いし、手術受けた傷跡も無いよ?」

 

「そうですよね?私がおかしんじゃないですよね?」

 

「うん、おかしくないよ。」

 

「あゝ‥あゝ良かったー。本当に良かった。」

 

「あんたの周囲にいる人達の方が変だと思う。」

 

「やっぱり‥そう思います?」

 

「俺があんたを助けてあげる。

兎に角、そんな変な人達といるよりも、ここから逃げ出した方がいい。」

 

「ぐすん・・逃げ出すってここから?」

 

「記憶喪失を治すなら俺が協力してあげる。

医者も紹介するし・・住む場所も心配しなくていいよ。」

 

「‥私のおばあ様も親戚のこの病院の院長も居るからそれは出来ません。

それに今日会ったばかりのあなたに

協力とか住む場所とかそんな事言われても・・・。」

 

「本当の家族や親せきなら顔に傷も無いのに

嘘は吐かないと‥俺は思うけど?」

 

「・・本当の家族じゃない?・・そう言えばおばあ様も私に顔の傷の事

手術が必要って・・何故?

やっぱり、私は佐倉美桜じゃないの?」

 

 

 


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