温室は思ったより広かった。

温室の中はスタッフさんが何人かいるようで、

植物の手入れをしたり、水やりをしたりしている。

 

ショップもある様で、買い物も出来るみたいで中央には

レジがあった。

カフェも併設されていて、

可愛らしい花束や小物なんかもあって

お見舞いに来た人が利用するみたいで、

女性客が花束と縫いぐるみを選んでいた。

 

「こんな場所があったんですね?」

 

「ええ、知らない人も多いけど・・常連さんはいるみたいです。

この奥が足湯がある場所です。」

 

「あら、長野君いらっしゃい。」

 

「智恵子さん足湯空いてますか?」

 

「ええ、さっき先客さんが帰ったから今は誰も居ない筈よ?」

 

「佐倉さん、こちらここの店長さんの智恵子

智恵子さん、この人は入院患者さんで佐倉美桜さん。」

 

「あら、こんにちは。足湯気持ち良いですよ。

ゆっくりしていってくださいね?」

 

「どうもこんにちは・・。」

 

「智恵子さん、佐倉さんが足湯入ってる間カフェで待たせて貰っていいですか?」

 

「もちろん大歓迎よ。珈琲をご馳走してあげるわ。

じゃあ、ごゆっくりね?これタオルどうぞ?

足拭きに使ってね?」

 

「ありがとうございます。」

 

「佐倉さん、ここ車椅子そのままで入れる場所があるんですよ。

俺が案内しますね?」

 

座って足湯に入れる場所と

車椅子や椅子に腰掛けて入れる場所があって

長野は車椅子をそこに付けた。

 

「スリッパ脱いで足入れてみてください。」

 

「うわぁー気持ちいい。」

 

「でしょう?足湯はリラックス効果があるんですよ?

これタオル‥上がる時に使ってください。」

 

「・・ありがとう。」

 

「じゃ、後で迎えに来ますね。カフェからここが見えるので

大丈夫安心してください。」

 

「ええ・・。」

 

 

長野さん良い人だわ。

…あの人なら私のこの顔を見たら正直な・・

反応してくれるかしら?

・・ううん、あの人も病院のスタッフなんだから信用しては駄目。

誰か人が来るかしら?

ここに最初に来た人の前でマスクを外した顔を見せてみよう。

そうだわ、そうすればその人の態度で分かる筈・・。

 

 


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