後半に追記しました

 

 

タイトルをみて、

おっ、今日はゲゲゲの鬼太郎の模写か

と思われたあなた、

 

CANSON XL AQUARELLE A4 / ペン画・透明水彩

 

、、、違いますよ!

そちらは「ヌリカベ」。

 

今回のテーマは、「クサカベ」です。

そうです、国産メーカーでいち早く流行りの分離色絵具「ハルモニア」の販売をした絵具メーカーの「クサカベ」です。

 

 

2024年9月

最近入会したサークルの課外活動でクサカベの工場見学があるというので勇んで参加しました。

 

本社&工場は東武東上線の朝霞台駅からバスで7~8分

「膝折横町」バス停の真ん前にあります。

 

 

一見、平屋に見えますが、崖地に建つ3階建てで、

入口が2F、工場は1Fとなってます。

 

右奥の建物が工場見学者用の入口です。

 

 

Waterford B  F6 × 1/2 / 透明水彩

 

 

 

 

入館するとすべての階の壁には、さまざまな絵画作品が展示されています。

 

 

まず、後で絵具づくりを体験する会場に案内され映像を交えた説明がありました。

 

①元々は薬剤師だった創業者の紹介(絵具材料の鉱物の中にはコバルト等の毒物もあったため薬剤師の資格が必要だったとのことです)

 

②絵具の材料について説明

油・水彩・アクリルとすべての絵具は、顔料+接着剤で作られていて、接着剤の種類が異なるだけ。

 

また、水彩絵具でいうと接着剤はアラビアガムで、量が多いと透明水彩、少ないとガッシュになるのだそうです。

 

油絵具、アクリル絵の具の接着剤は、私は水彩以外使わないので 3歩歩いたら忘れてしまいました(笑)

 

 

ひととおり説明が終わり、工場見学の後行う絵具づくりの主材料の顔料をチョイス。

顔料によって料金が違います。

 


<注>価格は2024.9月時点

 

さすがに25,000円を払ってラピス・ラズリを選ぶ人はいませんでした。机の上に無造作に大きな原石が置いてありましたが、盗まれないのでしょうか(ひょっとしてダミー?)

 

 

 

私は、一番使用頻度が高いイエローオーカーをチョイス。

 

一番安かったからだろうって?

まあ、否定もしませんけど、、、今回は幹事さんの英断でサークルより補助金が出たので、1,500円までの材料費は自己負担ゼロだったのです。

なんと太っ腹な幹事さん。感謝!

 

 

 

準備も整い、絵具の手づくりの前に工場に移動して実際の絵具づくりのプロセスを見学。

 

 

まずは、顔料と接着剤の混合

 

 

 

 

 

そして、練り。

 

手前から1:3:9の回転差で回るローラーでよく練り込まれます

同じ回転数ではよく混ざらないのだそうです。

 

 

この日は、油絵具の「パーマネント・グリーン・何とか(失念)」を製造中でした。

 

私は、油や水彩、いろんな色、多種類の絵具を同時に毎日作っているのかと思っていたのですが、1~2種類の製品しか作ってないのですね。

 

機械の増設投資額と毎回の洗浄コストを比較すると後者の方が安いということなんでしょうか。もしくはいっぺんに大量に作りすぎると過剰在庫の危険性が発生するのかも。

いずれにしても現在のやり方がベストということなんでしょう。

 

 

そして、チューブに充填

 

 

空気が入らないよう人力で上から圧力を加えているのだそうです。

 

 

最後の工程、

①チューブの底を折りたたんで(右側)、

②ラベルを機械で貼って(下)、

③目視で確認 不具合があったら人力でやり直し(左側)

 

 

この後、基準絵の具との色相比較検査(機械での数値検査もするが目視が一番有効とのことでした)の説明があって工場見学(絵の具の製造過程)は終了。

 

 

 

最初の作業室に戻って、上記の作業を完全手作業で実体験。

 

材料が違うので、水彩絵具を作るグループと油絵具を作るグループとに分かれます。

 

 

私は、水彩グループ。

 

 

まず、顔料と接着剤(アラビアガム)を1:1で混合。

石台の上に①顔料の粉をドーナツ形に敷いて、その真中に②アラビアガムを入れ、③のパレットナイフを使い混ぜ合わせていきます。もんじゃ焼きの作り方と似ています。

 

 

次に④のガラス製の擂粉木を使って少量ずつ8の字を描くように練り込み、台の端にためていく。

 

手早くやらないと徐々に水分が蒸発して固まってくるので、そうなったら⑤の右にある水を若干加えて調整します。

 

練り終わったら③のもう一本のパレットナイフで、⑤の空チューブに底の部分からたらし込んでいく。

この時、空気が入らないように時々机の上でトントンと。

 

約2cmほど空間を残して充填が終了したら、手でチューブの底を折り返し、⑥の機械であと2回折り返し、最後に1回しっかり押さえたら完成。

 

ラベルに絵具名を記入してチューブに貼り付け、⑤のケーズに入れて完成。

 

 

 

チューブに入りきらず余った絵の具はサランラップに包んで持ち帰れます。

 

ひとつ注意点は、前記の顔料一覧のなかに使う量「半分」と記載されているものは、このチュープ1本分の絵具を作るためには購入した顔料の半分でできるため、残りの半分も絵具にするためには 別途自宅にアラビアガムと治具を揃える必要があるということです。

 

 

市販の絵具には、上記の材料以外に、グリセリン、防腐剤、界面活性剤(オックスゴ-ル)が入っていますが、ここでの手作りの絵具は、顔料とアラビアガムだけ(という説明でしたが、ひょっとするとアラビアガムの液体の中にこっそり入っているのかも?)なので、色味的には鮮やかさが違うため、ここで作った絵具が無くなると定期的に作りに来る人もいるそうです。

 

 

実習室の奥には製品コーナーがあって、絵具、メディウム、筆等が売られていて、同社が販売提携するファブリアーノ製水彩紙等が、不適格品Bという商品は40%引で販売されてました。

不適格のレベルが良く分からなかったので購入は控えましたが、野菜等でよくある表面の見た目は良くないが味・品質は全く問題ないのと同じならかなりのお買い得ではありますね。

 

 

<最後に>

大昔は、機械なんか無かったので今回の実習のように手作業で作ってたのでしょうね。

日頃 絵具を買う時は高いなと思ってましたが、いざ自分で作ってみると納得できる価格なんだということを理解しました。

 

 

<追記>

 

ギャラリーためながで開催中のベルナール・ビュッフェの個展を見るために銀座に。

ビュッフェは私のお気に入りのアーティストで、このブログでも私のアバターに氏の作品「ピエロ」を使っています。

 

 

館内に1歩足を踏み入れるとすばらしい大作がずらり。

圧倒されます。

 

残念ながら館内は写真撮影NGなので外のショーウインドーを。

 

 

 

若干、うーんという感じですが、良い作品は中で見てくださいということか、、、

でも、美術館と違って入場無料なので許してあげましょう。 じじい、何をえらそうに、、、

 

 

十分満足したので、次に映画鑑賞へ。

この日は、「侍タイムスリッパーズ」と「ナミビアの涙」の二本立て。

 

「侍~」はこの日の朝のTVのワイドショーで、単館上映だったものが評判を呼びロードショー拡大公開になった作品で「カメラを止めるな」以来の快挙ということで紹介されていたので観てみました。

 

まあ、それなりに頑張っているものの、いわゆるタイムスリップものの域を超えておらず、「カメラを~」ほどの面白さは感じませんでした。

テレビでは5回目とか6回目の鑑賞ですとインタビューに答えていた人がいましたが、あの人たち、絶対にサクラでしょうね。

 

「ナミビア~」は、特にこれといった出来事は何にも起きない映画です。

ジジイにはあまり理解できない令和の新人類カップルの日常を追っかけていて、本人たちにはおおごとかもしれませんが、他人(特に昭和人and/or男性)から見ると、どうでもいい些細な出来事を淡々と描いている(だけの)映画です。

もっとも同世代の観客、特に女性には面白いのかもしれませんが、、、???

 

私的には「ハズレ」の二本、でした。

 

 

劇場のロビーには、次回作の黒板アートが。

 

 

 

 

 

話しは脱線しますが、

目黒区「区展」が現在目黒区美術館で開催中で、今年は搬入日がちょうど孫のピアノ発表会と重なったため出展できなかったのですが、何気なくH/Pをみたら何と、一昨年出展したクリムトの模写(左下)がポスターに使われていてビックリ!

 

 

 

些細なことですが、なんかうれしくなりました。

 

 

 

 

 

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