カップ麺「赤いきつね」CMの武田鉄矢がギネス認定 発売以来「変わらない」「ずっと同じ」安定感 | かなこの「恋はときどき」

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カップ麺「赤いきつね」が、「同じ俳優を起用したテレビCMを最も長い間放映し続けている商品」としてギネス世界記録に認定されたことが、8月28日、発表された。発売当初から41年間、このCMに出演し続けてきた俳優の武田鉄矢(70)はこの日、認定証授与式に登壇、「年を取らないと作れない記録、感謝してます」と話した。この間、商品名やコンセプトが変わらず、商品が廃番にならなかったからこその偉業。同じ俳優がCMに登場し続けることは、その商品が「変わらない」「ずっと同じ」「ロングセラー商品」の象徴安定感、安心感を視聴者に伝える強いメッセージでもある。

 

武田が出演した「赤いきつね」のテレビCMは200本以上に及ぶといい、最後に流れる「赤いきつねと緑のたぬき」というCMソングも変わらない。ただし武田の相手役は時折交代しており、現在の相手役は、「金八先生」シリーズで武田の教え子を演じた俳優の濱田岳だ。武田は「下世話な話、(CMは)貴重な収入源」と笑わせたが、すでに商品と武田がひとくくりで消費者に認知されている。ここまでくると「変わらないこと」こそが重要で、CMキャラの「代替わり」は難しいに違いない。もし2代目に交代するならば、武田の印象をいい意味で裏切るキャラが必要になるだろう。

 

「赤いきつね」は東洋水産が1978年に発売した。「赤いきつね」「緑のたぬき」の略称で親しまれているが、正式名は「マルちゃん 赤いきつねうどん」「マルちゃん 緑のたぬき天そば」。発売当初から、「赤」がきつねうどん(お揚げ入り)、「緑」が天そば(かき揚げ入り)、というコンセプトも変わっていない。だが、だしなど中身は進化し続け、リニューアルが繰り返されてきた。地域によってもだしの味は微妙に変えており、今は赤・緑それぞれに、「北海道」「東向け」「西向け」「関西向け」と、味の違うご当地バージョンを生産している。「東向け」「西向け」については、「でか盛り」と「まめ」(ビッグサイズ、ミニサイズ)の品ぞろえもある。さらに、「きつね」「たぬき」以外のバージョンもある。全国発売されているもので、「黒い豚カレーうどん」「白い力もちうどん」「紺のきつねそば」「おそば屋さんの鴨だしそば」「おそば屋さんのカレー南ばんそば」「バリうまごぼ天うどん」の6種類があり、地域限定で「山菜乱切りそば」(北海道限定)、「みそ煮込みうどん」(中京限定)の2種類が販売されている。さらに期間限定で今、「赤いたぬき天うどん」東向け、西向けの2種類と、全国で「赤い焼きつねうどん」「黒い豚カレー焼そば」が発売中だ。

 

ちなみに、カップ麺市場での和風めんは、「赤いきつね」「緑のたぬき」と、日清食品の「どん兵衛」シリーズ(CMソングは「うどんどん兵衛、そばどん兵衛」)が二強だろう。CMキャラとしては、東洋水産が武田を起用し続けたのに対して、日清は、最近は星野源と吉岡里帆をメーンにするなど、時代に合わせてキャラを変えてきた。また、別バージョンの発売時には、カズレーザーや千葉雄大をゲストに迎えるなど、ことさらに「新しさ」を強調してきた。CMだけで比べれば、安定感の東洋水産、新規性の日清食品、といったところだろうか。地域ごとに味を変えるのは東洋水産と同様だが、味代わり商品に力を入れるのは東洋水産以上だ。現在発売中のものだけで、日清には、「釜たま風うどん」「豚汁うどん」など14種類も味代わり商品がある。

(2019・8・29、元沢賀南子執筆)