再放送だらけの年末年始ドラマ、いいのか地上波テレビ、闘う前に逃げ 視聴率は見込めてもファンは去る | かなこの「恋はときどき」

かなこの「恋はときどき」

いまどき男女の恋愛事情と、ドラマや映画の批評を、ときどき更新します。


テーマ:

 2018-19年の年末年始の地上波テレビ局はNHKも民放も再放送だらけ、“省エネ”の番組編成だった。年末は18年に話題だったドラマの再放送が並び、年始は正月スポーツの生中継か、18年に高視聴率だった連ドラや19年1月期に始まる連ドラ関連の再放送ドラマがずらり。どうせ地上波なんて誰も見ないなら、新作ドラマなんて作るだけ損、数字の見込める再放送で、と考えたのかもしれない。だが、新作ドラマにチャレンジする局がこれほどないなんて、せっかく時間のある年末年始に新作ドラマを見たいと期待した視聴者は有料放送やBSに流れてしまう。地上波テレビは自ら、ドラマの視聴者を失おうとしているのか。

 

 年末に再放送されたドラマは、民放は、「deleセレクション」(テレ朝、12月28,29日深夜)、「陸王・ディレクターズカット版」(TBS、29日昼、30日深夜、同午前)、「孤独のグルメ傑作選」(テレ東、30日午後)、「家売るオンナ」一挙放送(日テレ、30日深夜)、「バイプレイヤーズ」一挙再放送(テレ東、30日深夜)、「信長燃ゆ」(テレ東、31日午前)などだ。さらに「アンナチュラル」全話一挙放送を、TBSが年末年始をまたいで3日連続でした(31日午後、1日午後、2日午前)。ほとんどが18年に制作された連ドラだ。

 

 年始は、民放でのドラマ再放送は1月1日から始まった。「釣りバカ日誌 新入社員浜崎伝助」(テレ東、1月1日午前)、「あなたのことはそれほど・ディレクターズカット版」(TBS、1月1日深夜、2日同)、「義母と娘のブルース・特別編」(TBS、2日午後、3日午前)、「おっさんずラブ」(テレ朝、1月2日午前)、「DOCTORS」(同、2日深夜、3日同)、「HERO一挙放送SP」(フジテレビ、3日午前)。

 

 NHKは、ドラマ以外も再放送が目立った。年末には「世界はほしいモノにあふれてる選」(29日深夜)を放送、年始は、「ノーナレ 岡崎体育」(1月1日夕)、「ブラたもり選」(1月2日午前)、「日本人のおなまえっ!」(1月2日夜の新作を3日午前に再放送)、アニメ「ツルネ」の一挙再放送(1~5話が1月2日深夜、6~10話が3日同)をした。ドラマでも、大河ドラマは毎年末、総集編を放送するのが定番だが、今年は加えて朝ドラ「半分、青い。」の総集編も再放送した。「まんぷく1週間」の一挙再放送(第1~7週が2日深夜、8~13週が3日)もあった。

 

 年末の定番として、かつては毎年のように新製作・放送されていたテレ東の時代劇の長時間ドラマは、18年末はなかった。年末年始の新作ドラマは、テレ東「孤独のグルメ大晦日スペシャル」の生放送(12月31日夜)、TBS「下町ロケット特別編」(1月2日夜)、NHK「正月時代劇 家康、江戸を建てる」(1月2日夜、3日同)、テレ朝「相棒」(1月1日夜)、同「科捜研の女」(3日夜)、テレ東「釣りバカ日誌」(4日夜)くらい。

 

 再放送もののラインアップと放送時間帯を見て分かる通り、正月1日から再放送の嵐だ。また、TBSは、「陸王」「アンナチュラル」「あなそれ」「ぎぼむす」と、いずれも18年に制作したドラマを、全話一挙に見せた。18年の年末年始に、「逃げ恥」と「99.9」の再放送をして好評だった成功体験が下敷きになったのだろうか。

 

 結果的に、新作ドラマが本数が少ないだけに目立つことになった。しかも、「相棒」「下町ロケット」「科捜研」ともに18年秋クールの連ドラからの流れもあり、視聴者をうまく誘導した。局同士が図ったのか、放送日がばらけたこともあり、ドラマファンをそれぞれに集中させられただろう。他局の新作がなかった分、結果的に新作は視聴率が取れたのではないか。

 

 手間暇をかけて新作を作り、それで視聴率的にコケるくらいなら、安定感のある、数字の読める再放送の方が良い――という戦略が、年末年始という特番時期にも当てはめられたのだろうか。この戦略は、テレ朝が通常期に「科捜研の女」「相棒」で実践し、全日視聴率で日テレから首位を奪取することに貢献した。

 

再放送の活用は視聴率戦略としては成功なのかもしれない。けれど、長い目で見た時、地上波テレビ局のドラマ制作力を低下させることになりかねないのではないか。せっかくの年末年始、長時間ものや時代劇など、ふだんは作りにくいドラマに挑戦できるチャンスだ。地上波各局、ことにNHKには、ドラマ愛をもっと期待したいところだった。

(2018・12・29、元沢賀南子執筆)

gogo-kanakoさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス