日本のメディアの多くは、悲観的に見るだろう。
そして、大多数の現地のファンも。
この現象が起こってしまうのは、ビルバオ戦後の連敗を過去に見ているからだ。
さらに言えば、CLの出場権争いの相手は勢いのある不気味なマラガとレバンテ。
両チームの過去の実績、今後の対戦相手を考えてもバレンシアが有利なのには変わりない。
しかし、次の相手は冬の移籍シーズン明けから、驚くほどの大躍進をし、先日のオサスナ戦ではホームで6-0の快勝をしているラージョ・バジェカーノ。
一昨年の成績はセグンダA(2部)で15位と低迷していたのに対し、昨年、今年と一部のクラブを相手にリーグを掻きまわしている。
そんな彼らの中で異彩を放っている選手と言えば、得点ランキングでもバレンシアのソルダードに次ぐ15点で、7位の座につけているミチュ(本名;ミゲル・ペレス・クエスタ)という選手だ。
昨年まで所属していたセルタでは簡単なゴールを決められない選手として、少々厄介者扱いをされていた選手でもあるが、重要な試合では毎回というほど決めていたように思う。(昨年は再放送などで、何度かセルタの試合を見かける機会があった。)
セルタとの契約が終わってフリーで加入したこの選手の活躍ぶりは、正直予想外であったし、躍進の立役者として名を残すのではないかと思うほどだ。
イングランドの某新聞でも「マンチェスターUが興味を示している。」
こういった見出しを読んだほどだ。
僕が見るに、この選手の特徴は、相手の懐に入り込むような飛び出しの上手さだと思う。
味方のFWがボールを保持、またはパスを出せる状態になっている際に、2列目からのタイミングのよい飛び出しでチャンスを作り、ゴールを演出、または自分で決める。
これはラージョの速攻スタイルが生んだ賜物とも言える。
サイドからの展開が早く、スピード感の溢れるプレースタイルは、相手に準備をさせる暇を与えず、攻撃のチャンスと見れば、一気に攻め込む。
現に得点に関しては48点と先日の大量得点を差し引いても、十分な得点力を有していると言えるだろう。負け試合であっても得点を取っている試合が多いことも、魅力だ。
冬にアトレティコからレンタルで加入しているGKホエル、DFプリード、FWジエゴ・コスタが活躍していることもラージョの躍進には欠かせない物となっていることだろう。
特にジエゴ・コスタの得点力には注意したい所。
しかし、逆に守備に関しては、堅守速攻とは行かず、失点の数も非常に多い。
11試合中7試合で失点を喫している。(内5試合が負け。)
さらに言えば、俗に言う【強豪】クラブには勝てていない。
唯一、白星をあげているのが、一月に行われたセビージャ戦のみ。
この点から考えても、バレンシアには十分に勝機があるのではないかと考えられる。
正直な所、ここはなんとしても勝たなければならない。
相手の得点力への対応に関しては、ここ最近の試合で安定感の増しているトパルと気迫を帯びたDFで味方を鼓舞しているリカルドの二人に期待したい。
相手DFの甘さに漬けこめるであろうことは、先のレアル・マドリー戦でも証明している。
大量得点で勝利し、今後の勝利に弾みをつけられればと思う。
最終的に僕の意見を言うならば、4位陥落は悲観的ではない。
逆にマラガに三日天下ならぬ一日天下という現実を見せてやろうじゃないかと言うくらいのもの。
彼らの勝利を信じよう。
喜ばしいことと言えば、昨年のビルバオ戦で負傷して以来6ヵ月もの間、戦線を離れていたカナレスが招集メンバー入りをしたということだろうか。
彼の独創性溢れるパスが、チームに勢いを齎すことを願いたい。
今回は、ソルダードが筋肉系の負傷で招集を見送っているため、得点を取ることに苦労するであろう。
そう言った面からもカナレスのパスでゴールが生まれるのであれば、嬉しいものだ。
カンテラからパコ・アルカセルを招集。
レバンテとのダービーでの最後のチャンスを決めきれなかったとは言え、少ない出場時間でも好機を演出するバレンシアーノの登場に、観客も大きな拍手で迎えることだろう。
彼の3度目のリーガでの戦いを間近でみたいものだ。
最後に招集メンバー
GK グアイタ、ジエゴ
DF バラガン、デアルベルト、ラミ、リカルド、マテュー、ジョルディ
MF トパル、ティノ、マドゥーロ、パレホ、パブロ、フェグリ、カナレス
FW ホナス、アルカセル、アドゥリス
ソルダード、ミゲル、ビクトルに関しては怪我。
アルベルダはエメリ監督と少々問題があったようですね。
http://www.superdeporte.es/valencia/2012/04/10/albelda-soldado-estaran-rayo/158627.html
それでは。
明日の観戦後また。