勇気は必要 | 〈 追 憶 の 向 こ う 側 〉

〈 追 憶 の 向 こ う 側 〉

筆者のリアル体験物語。「社内恋愛」を題材にした私小説をメインに、創作小説、詩を綴っています。忘れられない恋、片思い、裏切り、絶望、裏の顔―― 全てが入った、小説ブログです。

今夏の初め。

まっちゃん から連絡がありました。
 
自宅に電話が掛かってきて、懐かしい声に驚いた。
年賀状ばかりで、すっかりご無沙汰だったので。笑
 
「8月頃に、みんなで集まろうって話があるんだけど、椎名ちゃん来れる?」
 
―― というのです。
 
彼女の言う “みんな” とは、同期を指したものではなくて、お世話になった職場の人たちのこと。
忘れるはずもない、私の記憶に鮮明に残るあの人たち。
 
発案者は、由真ちゃんと広野さんだそう。
それぞれが、年賀状やメール、LINEなどで繋がっているようで、不思議な気分で話を聞きました。
職場を離れ、誰とも繋がりのない人はさすがに連絡の取りようもないけれど、可能な限り… そして、会いたい人だけにコンタクトを取るというスタンスのようでした。
SNSを駆使して辿り着くとか、そんな話が身近にあったことにビックリです。笑
 
遥か昔の同僚と会うというのは、同窓会の部類に入るのか、それともただの飲み会なのか。
夫に話をすると、快諾でした。
「行ってきなよ。時間気にしないでいいから、遊んでおいで」 ―― と。
そういう人だと、解ってはいたけれど。
 
私もみんなと会いたい。
だけど、怖いのです。
 
まっちゃんでさえ、10年以上ぶりに会うことになるのに、他の多くの人とはそれこそ25年近くぶりの再会…。
懐かしいを遥かに超越していて、怖さが全面にくる。
私は、ほんの数年前の事のように覚えていても、実際は大昔。
相手が覚えているとは、とてもじゃないれど思えないじゃないですか。
 
だから、「行く」と即答するのが怖かったのです。