「秋の田を 刈るや白鷺 人に近く」
<山口 青邨>
「うすうすと 苅田の匂ひ 日に残り」
<上村 占魚>
先日のこと。
▼愛媛県松山市の北東部に位置する日浦地区を訪れた。
50万人を超える松山市民の水瓶である石手ダム(白鷺湖)
の上流にあり、緑豊かな山間の地。
そこには、丸みを帯びた河原の石を丁寧に積み上げた昔なが
らの棚田が広がる。
▼ときは9月長月。
彼岸の明けを前にして、その棚田でコンバインの音が鳴り響
く。
重たげに黄金色の穂を垂らした稲田では、雀の群れが飛び立
つ姿が見られるが、殆どが切り株だけの苅田の姿。
▼所々に、「稲架掛け」も見える。
干すことによって栄養とうま味が増すといわれる古来からの
生活の知恵。
一角で「芒の穂」が揺れ、「曼殊沙華」が花開く。
日本の原風景を垣間見た。
今日の歩行数 5,868 歩。キロ数にして約 3.9 。