ひと月ほど前のある日の夕方、


用事を済ませて外から帰って来ますと、山門の横の子育て地蔵様の踏石前の雨垂れを流すところが陥没してポッカリと穴が空いているのを発見しました‼︎


その日の朝まで何ともなかったので、地中では長い年月をかけて空洞化が進んでいたようです。


昨今の雨はとにかく激しいので、土が流れても不思議ではありません。


業者さんに見て頂きましたところ、実際には建物ものけて全部剥いでみないと分からないとのことでした。


どこかに土が流れている可能性もありますが、全部壊して掘ってみる訳にもいきません。


仕方がないので、割れたコンクリートのところを鑿岩機で剥いで、とりあえず地中の空いたところにコンクリートを流し込んでもらうことになりました。



山門もすでに30有余年が経過し、このように修繕が求められるようになってきました。


檀家さんの土木建築屋さんが、コンクリートを流し込んた上で、表面をきれいに整えてくれました。



光蔵寺のように小さなお寺でも、建物が大小併せて8棟もあります。


主だったところでは、本堂は築47年・護摩堂は築200年、客殿(方丈)は築62年、庫裡が築50年余り、納骨堂が築40年などなど。


歳月の経過と共に老朽化が進み、どこかかしこか常に修繕工事をしております。


また、山の斜面に建つお寺ですので、建物のみならず庭や裏山などの剪定、境内の掃除・剪定、石垣や石造物、土地の整備・修繕も常に求められます。


建物の大きな修繕工事などは、数年に1回の行事に合わせての臨時のご寄附に頼らざるを得ませんが、その他の小さな修繕工事などは、お布施や家族の寺以外で勤めてきた仕事の中から、これまで少しずつ積立てきた資金を切り崩して当てることがほとんどです。


出来る限り、住職を始め寺族の力でできる限りやるにせよ、やはりひと家族の力だけでは限界があるのもまた事実です。


将来的な持続を考えた場合、お檀家さんや縁者の方々のお力添え無くしては、お寺の維持・管理は成り立ちません。


お寺にとって、金銭の多少にかかわらずお賽銭ひとつ、それ以外での草刈りひとつとってもお手伝い頂けることは、本当にありがたいことです。


特に小寺で1人孤独に住職をやっていますと、些細なお心遣いが精神的にも身に染みるのです。


これまでは、江戸時代に整備された檀家制度の名残りのおかげで何とか護持してこれましたが、戦後以降には光蔵寺のような中山間部地域は時を追うごとに人口減少が著しくなり、その不安は尽きません。


時折のお布施は当然のことながら、どんな小さなお賽銭でも無駄にしないよう努めて参りたいと思います。


基本的にこれ以上、不必要に建物を増やすつもりはありませんが、大きな災害や修繕が無いことを祈るばかりです。


今回の件も、何とかこれでしばらく持ってくれれば良いのですが……。


これまで皆様のおかげで凌いでこられました。


ありがたいことです。