卯の花のともにし鳴けば霍公鳥いやめづらしも名告り鳴くなへ
―大伴家持
暦では“蛙始めて鳴く”「立夏」初候を迎え、
“はや夏”の陽気のゴールデンウイークでしたが、
この連休明けはいかがお過ごしですか?
由美ママは今年の大型連休は“7連休”をいただき、
サンフランシスコへと出かけておりましたが、
帰国後の東京は連日の真夏日で、とくに6日の宵は袷の着物に汗ばみましたが、
この初夏の気配とは裏腹に、銀座の街はまだ長い休みから目覚めてない様子で、
今日あたりからようやく、いつもの賑わいが戻りつつあるようですね。
「母の日」の朝はメンバーコースの『カメリアヒルズCC』 www.camelliahills.com
へと出かけておりました。
http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10249413502.h
tml
(2009年4月26日号他)
今年も見事な“藤浪”が風に揺れて・・・http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10249419429.html
(2009年4月26日号「花の話」より)
『カメリアヒルズCC』No.16藤棚前 由美ママ
さて、「立夏」の頃の景物はいろいろで、
古くから、姿よりその鳴き声が喜ばれ、“立夏の日から鳴く・・・”と
「万葉集」の時代から詩歌にも詠われることの多い「ホトトギス」が、
とくに親しまれた“夏鳥”とされていますが、
当時の貴人は、「ホトトギス」が鳴くのを待ち焦がれ、
また鳴かねば怨み、鳴けば鳴いたで物思いに誘われる・・・ほどで、
「万葉集」で最も多く詠われている鳥で153首にも登場します。
中でも、大伴家持が詠んだ歌が多く、
家持にとっての「ホトトギス」とは、“夏の初日”に鳴かなければならない鳥であり、
“夏の初日”とは即ち“立夏の日”でもありました。
ところで、「ホトトギス」とは“ホトト・ギス”と鳴く声による名か、
それとも“名告り鳴くホトトギス・・・”と、掲歌で詠まれているように、
“己の名を告げて鳴く”声からなのか・・・?
ここで少し調べてました。
先ず“ス”は鳥を表す接尾語ですが、
その鳴き声は極めて顕著で
「てっぺんかけたか」「ほっちょんかけたか」・・・などと聞える時もあり・・・(笑)
漢字でも「杜鵑・霍公鳥・時鳥・子規・杜宇・不如帰・沓手鳥・蜀魂・・・」などど様々に表され、
古来の日本の文学、特に和歌には、
「あやなしどり・くつてどり・うづきどり・しでのたおさ・たまむかえどり・夕影鳥・夜直鳥(ヨタダドリ)」
などの名で現われています。
また家持は「万葉集」巻第十八で
「暁に名告り鳴くなる霍公鳥いやめづらしく思ほゆるかも・・・」と詠ったように、
“暁に鳴くホトトギス”が好きだったようで、
他にも「醜霍公鳥暁のうら悲しきに」(8-1507)
「暁月の影見えて鳴く霍公鳥」(19-4181)
などを作っており、
常人も起きつつ聞くぞ霍公鳥この暁に來鳴く初聲」などは、
もう今晩は眠らないで明日の“暁”を待つ・・・という歌で、
「ホトトギス」の来鳴く“暁”は、「立夏の節」が来る“暁”だったのかと思われますね。
霍公鳥来鳴き響もす岡辺なる藤波見には君は来じとや
―万葉集
若葉が青葉につつまれて新緑が一段と映えて美しい季節になりましたが、
今日由美ママは、そんな家持が好んだ“霍公鳥”が彼方に鳴く中で、“藤の花”の柄の装いで銀座へと出かけます!!!