銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

だいぶ間が空いてしまいましたが、こちらの続きです

 

 

乳がんで温存手術をした場合、乳房内の再発を防ぐために放射線治療が必須となります

 

乳がんで手術して、傷の痛みなどがやっと落ち着いてきた

 

って時に、放射線治療が始まります

 

しかも、5週間かけて25回も通院するという、、、大変、、、

 

 

 

基本的にはこの範囲で照射します

切除部位への追加照射(ブースト照射)は施設によって適応がまちまちですが、行う施設が多いと思います

 

25回の全体照射の後に、5-8回の追加、、、

 

 

 

ただ、やはり放射線治療を行わないと、乳房内の再発率がそれなりにあります

放射線治療を行うことで、ゼロにはなりませんが、1/3の確率に減らすことができます

 

ナンだよ、あんなに頑張って通ったのにゼロにならないのかよ、、、って思うかもしれませんが、再発ゼロはやはり難しい、、、

 

 

あと、放射線治療に副作用もあります

 

皮膚障害が最も多い副作用ですが、それを軽減するために、線量を増やし回数を減らす寡分割(かぶんかつ)照射という方法があります

 

副作用も少なく回数も少ないのに効果は同等、という患者さんには優しい照射法なのですが、治療成果以外の問題があります

 

一つは、がん保険が下りない可能性

 

多くのがん保険は”放射線治療で50Gy(グレイ)以上照射”が、給付金の対象となります

 

通常の25回照射だと、1回2Gy×25回=50Gyで給付の対象となりますが、

 

寡分割照射の場合は、1回2.66Gy×16回=42.56Gyとなり、給付の対象となりません

 

頑張って通院したのに、給付金が出ないってどういうこと?? ってなりますよね
*ブースト照射を追加すれば50Gyを超えます

 

 

また、寡分割照射は病院の利益も減っちゃうんです、、、

 

病院としては回数を多く通ってもらった方が、儲かるのです、、、

 

それは患者さんに勧めたくなくなりますよね

 

 

 

あと、心臓のある左乳がん術後の放射線治療は心臓が被ばくするリスクがあり、深呼気息止め放射線治療(DIBH)という方法が取られます

 

詳しくはこちら

 ↓↓

 

 

 

放射線治療は、手術後20週以内に始めた方が良いとされています

 

抗がん剤が先で、落ち着いた後に放射線治療ということもあります

 

 

術後の放射線治療をしたくないから全摘にした

 

という人をたまに見かけますが、全摘術後でも放射線治療を行うことがあります

 

 

リンパ節節転移が4個以上の場合は有無を言わさず放射線治療が行われますが、1-3個だった場合にも行われることが増えてきた感があります

 

 

こちらも参考に

 

 

 

あと、全摘術後に再建をする場合には、自家組織の場合には放射線治療によって脂肪壊死や変形が、人工物(インプラント)の場合には再建失敗などのリスクがあるので、主治医としっかりと話し合う必要があります

 

 

 

 

 

 

 

 

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