それでも太陽は眩しくて。 | 空と星が終わるまで。

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何処に行っても居場所なんて無いんだって思った。

学校にいても、家にいても、職場にいても、自分は誰ともうまくいかないんだって思った。

ずっとずっと苦しんで来て、まだこれからも心踏み砕かれる様な思いをしなきゃならないなら、もう十分だよ。沢山だよ。
誰かにもう良いよって言って欲しい。

そんな事をずっと考えてて、姉に溜め込んだ思いをぶちまけた。当然だけど、「それだけは絶対言えない」って止められた。
当たり前だ。逆の立場なら絶対言えない。どんなに苦しんでたんだとしても死んで欲しくない。


でもそうは言っても正直しんどい。

実家でしばらく静養すればと言われたが、会社を辞めようにも辞められない。

求人表の時間は16:00~11:15と書いてるのに、1日14時間以上拘束される。昼12時に行ったら家に帰るのは深夜2時を過ぎる。たまに遅くなるとか言ってたのに常にそんな感じだ。
面接時にノルマは無いとか言っておいて、ペースとか曖昧な表現の実質的ノルマがあるし。てか求人表と違うとか、面接時の説明と違うとか、入社してから初月の給料は日割でしたとか、入社したら最後、半年は辞めれないとか、辞めても同じ業種に半年は勤められないとかホントにいい加減にしてほしい。
職場の人間もひねくれた性格で嘘っぱちな笑顔の上司ばかり。
何でこんなに職に恵まれないのか。


そんな最悪の中、元々先に誘われ、掛け持ちしていたエステサロンの認定試験に見事合格しました。

モデルさんに凄く気持ち良かったって言われた。

短大の卒業より、免許取得より、何より嬉しかった。必要とされている実感が何物にも替えがたい程幸せだった。
まだまだ未熟な部分は沢山ある。もっともっと上手くなりたい。
こっちを本命にしたい。

だから長時間拘束されるこの会社を何とか辞めたい。




試験に受かるまでは精神的にボロボロで、移動中の車の中で見上げた視線の先には、雨上がりで雲が開けた空から燦然と輝く太陽と、鮮やかに架かる虹が見えた。

不意に『FEATHER』が頭の中に流れて、いつか報われる日が来るのだろうかと、泣きそうになるのを必死に堪えた。

まだ、もう良いよって言って欲しいという思いは消えないけれど、あと少し。もう少し。

柔らかな月の光の様な優しい掌に触れたあの日を思い出して。もう少し。

残酷な現実をさらけ出すその光は、同時にまるで許す様な慈愛にも見えて。