そのライブが、私にとって最後のPIERROTのライブになってしまったが、後数ヶ月で卒業というギリギリなタイミングで、私はかけがえのない友人に出逢う事が出来た。
『類は友を呼ぶ』なんて諺があるけど、全学生三千人以上いる中で、しかも偶然乗り合わせた人がPIERROTファンという確率って、相当奇跡的なんじゃないだろうか。
思えば私は奇跡的な偶然を何度も経験してきた。
自分の大好きな漫画のアニメのEDテーマでPIERROTに出逢って、死のうと思った初めてのライブで救われて、乗り合わせた車でPIERROTファンの人に出逢う。
絶望的で真っ黒だった私の世界が、PIERROTに出逢ってから少しずつ極彩色に変わっていく。
『生きたい』と願った事で、幾人もの大切な友人達に出逢うという希望が与えられた。
自分を偽らず、繕わず、人と向き合う事がこんなにも幸せな事だったなんて。
短大で過ごした2年の日々が、今の私を支えている。大切で愛しい日々。
あの日、初めて行ったPIERROTのライブで、キリトさんが言ってくれた『キッカケ』。キリトさんは本当に私にキッカケをくれた。
あんなに絶望的だったのに。淋しくて、怖くて、辛くて、孤独で、死にたかったのに。キリトさんが直接的に、間接的に与えてくれたキッカケが、その暗闇から掬い上げてくれた。
もう独りじゃない。
そして、幾つもの奇跡は偶然じゃ無く必然だったのだと確信する出来事が起きたのだ。