$阪神ファン銀次郎のブログ

<阪神1-0巨人>◇18日◇甲子園

 百戦錬磨の「神様」ですら震える一打だった。0-0の7回。阪神の代打の神様こと、桧山進次郎外野手(41)が巨人ゴンザレスの初球ストレートを右前に弾き返した。絶対に負けられない巨人、中日との試練の6連戦初戦。この回の金本の二塁激走に燃え、今季限りでの引退が決まっている矢野を胴上げに招待したいという思いがバットに乗り移った。中日が敗れゲーム差は1・5。さあ奇跡の扉が開き始めた。

 真昼の伝統の一戦に、虎の神が舞い降りた。代打桧山の快音に今季最多、満員札止めの甲子園が総立ちになった。0-0の7回2死三塁。平安高時代の同級生もベンチ前で桧山タオルを掲げて声を枯らす中、ゴンザレスの初球真っすぐを一撃で仕留めた。右翼前の芝で弾む決勝タイムリー。逆転優勝へ勝ち続けるしかない虎を、19年目のベテランが救った。天国と地獄を決めるといってもいいGD6連戦の初戦。お立ち台では神様もシビれ切っていた。

 桧山 前でカネもっちゃんがツーベース。負けじと打たないと、って強い気持ちでいきました。能見にも勝ちをつけられて、復帰祝いにはもってこい。打ち合いで勝つのもいいけど、野球は1-0で勝つのが一丸で戦える試合だしシビれますね。

 6回満塁でブラゼルが投ゴロ併殺に倒れるなど、イヤな0行進が続いていた。だが7回、1つ歳上42歳の金本が代打二塁打でチャンスメーク。不振で自らスタメン落ちを志願するほど苦しんでいたプロ同期生の執念に、心が動かないはずはなかった。しかも好投能見の代打。自分が打たなければ復帰勝利は届けられない。仲間との熱いきずなが生んだ虎の子の1点だった。

 桧山 まだできると思ってたし、今は寂しい思いでいっぱい。でも最後は矢野さんと一緒に優勝を味わいたい。ぜひともうれしい気持ちで、矢野さんを迎えられるようにしたいんです。

 今季限りで引退する矢野に、花道を用意すると誓っている。98年の移籍から13年間、最下位の阪神を強くするため一緒に頑張ってきた。「年が近いしすごく励みになっていた」。1歳上の矢野さんがあれだけ頑張っている。自分はもっと頑張らないといけない。不惑過ぎに右ひじ手術から再起した姿は、心の支えだった。できる最後の恩返しは優勝しかない。優勝決定試合に招待して矢野さんを胴上げする。桧山の願いはナイン全員の願いでもあった。

 16日横浜戦では9回裏の外野手がいなくなり、今季出場65試合目で初めて、1年ぶりの守備もこなした。「あと1人コールが聞けて良かったですよ」。さらりと言うが、すべては準備のたまものだった。今季はDHもない完全な代打稼業だが、試合前練習でグラブを持たなかった日は1度もない。すべては万一、くるかもしれない出番のため。連敗を止めたウイニングボールキャッチは、その万一が報われた瞬間でもあった。

 桧山 ドキドキもするけど、一丸で勝った試合は士気が上がる。チームの力もつく。逆に落とすとダメージはデカイですからね。上に中日がいて(3位)巨人も3連覇中のチーム。僕らは常に挑戦者で、前に向かって進んでいくだけです。

 首位中日への挑戦権をかけた第1ラウンドを取った意義は大きい。それもみんなのドラマが凝縮した、団結の1-0でだ。今日の第2戦、一気に巨人に引導を渡しにいく

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