まず、みなさんからのコメントへのお返事から。

■KFOさんへ

コメントありがとう。うたうひとを読んで音楽はきこえなかったけれど、きっと幸せな気持ちになれたのではと思います。楽しんでいただけたようでうれしいです。これからも「サンデー銀次」ご愛読よろしく。


■るまるまさんへ

コメントありがとう。なんと大阪から見にきてくれたんですね。大感激です。
トークも音楽も含めて、あらゆるもので僕たちuncle-jamはエンタテインメントをしていきたいと、いつも二人で話しています。喜んでいただけることが僕らの一番の幸せなのです。大阪にもぜひ行きたいと思っています。
これからも応援よろしく!


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11月3日の夢街のライブまで、uncle-jamの二人はなんやかやと忙しかったので、黒沢君と話し合って、少し休養をとろうということになった。そこで僕はとりあえず今週いっぱいは、スローダウンした生活をして、あてもなくCDを聞いたり好きな本を読んだり、いろいろ心の栄養補給をすることに決めた。

まず、楽しみにとっておいた小路幸也さんの「探偵ザンティピーの休暇」を読み始めた。小路さんの本はいつも読みやすいのでつい読み飛ばしていきがちになるが、逆にゆっくりじっくり浸るように読むようにしている。その本の世界にいるだけで幸福感があるからだ。

今回の主人公はアメリカ人のハードボイルド風な私立探偵。だが並の探偵小説とちがうのは、アメリカ人探偵ザンティピーが、「男はつらいよ」の寅さんのような「べらんめい」調の日本語を話すことだ。そんな彼が日本の田舎町の温泉で休暇をとるという設定なので、さらにそこに金田一耕助風味も混ざり、より個性的な和風ハードボイルドになっている。まだ途中だが、今回も小路ワールドが全開でうれしくなる。これを読み終わったら、次は「ラプソディ・イン・ラブ」、「さくらの丘で」が僕を待っている。しばらくは小路さんワールドにゆっくり浸ろう。魂の洗濯。お楽しみはこれからなのだ。


探偵ザンティピーの休暇 (幻冬舎文庫)/小路 幸也

¥560
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その小路幸也さんがゲスト出演してくれた「伊藤銀次・杉真理のTalkへ行きたい」。お待たせしました。第1話がついにアップされました。
初のミュージシャン以外のゲストの登場は、実は以前からのぼくの願い。音楽の外側にいる、音楽大好き人とお話しがしてみたかった。小路さんはまさにぴったりの人物。心に願えば、かならずそういう人に会えるのかも知れないと、彼との出会いで思った。
小路さんのファンのかたでも彼の生の声を聞いたことはあまりないのではと思う。これが驚きの、といっては失礼だが、響きのいいよくとおるいい声で、彼の文章にも似た明快なしゃべり口調とあいまって、とても心地の良い、楽しい対談になった。他では聞けないエピソードも聞けるのでぜひチェキラ。

http://offstagetalk.com/commetalk/commetalk00004562.php


オフになってやっとリラックスしたせいか、それとも僕の潜在意識が海外旅行を欲しているのか、なぜかイタリアへ行った夢を見た。
それもちゃんと現地に到着して、観光などを楽しんでいる部分がまったくなくて、いきなり、イタリアから帰国するために、空港行きの電車に乗っているシーンから夢は始まった。
現実ではそんな馬鹿なと思うことでも、夢の中ではあたりまえのように自分を後押ししてくる。
たとえばローマとかナポリとか、具体的にどのあたりにいるのかもわからず、とにかくイタリアの電車に乗っていることだけはまちがいないのだ。しかも空港のある駅の名前がわからないときている。
ドアの上に路線図が表示されていて、それに目をやって飛行機のマークやエアポートのような表示を探してみても、どの駅にもそんなマークはついていない。まわりを見るとあたりまえだがイタリア人ばかり。僕はイタリア語はまったくしゃべれないので、おたおたしていると、近くに東洋系の女性をみつけた。
どうか日本人でいてくれと一縷の望みを託して、「空港のあるのはなんという駅ですか?」とたずねると、ここが夢らしいところだが、彼女は電車のガラス窓に息を吹きかけ、白くなった部分に人差し指で「禁止会話男子」みたいな漢字を書いた。どうも中国人らしい。(と勝手に思った。)どうやら男性と話をすることを禁じられているらしい。困ったな。あいかわらずどこで降りればいいのかわからない。
するとそのとき、 旅に持ってきたはずのサムソナイトがどこにもないことをやっと発見した。パスポートも何も持っていないではないか。やばい、あせった。そしてあせったところで目が覚めたのだ。

まるでつげ義春の「ねじ式」かフェデリコ・フェリーニの映画「女の都」みたいだ。
まずなぜ舞台がイタリアだったのかがわからない。「しゃべり出したら止まらナイト」の第1回でボビー・ソロの「ほほにかかる涙」を歌った、その揺り返しが今頃来たのだろうか?





最近はあまり見なくなったが、以前しょっちゅう見たのが学校のテストの夢。気づくと学校の教室にいて他の生徒達と席についている。するといきなりテスト用紙が配られてきて、「はじめ!」のかけ声。他の生徒たちがカリカリと鉛筆で答を書き込んでいるなか、学生でもない僕がなんでここにいるのかわからなくてボー然としている。問題を見てもさっぱり答がわからない。設問の意味すらわからない。あせっているうちに目がさめるというわけだ。よほどテストがトラウマになっているのかも。みなさんはいかがですか?

いままで見た夢の中で一番恐かった夢をご紹介しよう。
気づくと真っ暗闇の中にいた。室内だか室外だかも真っ暗でわからないが、空気の感じからどうやら室内のようだ。自分の手足もまったく見えないほどの暗闇。そこで右足を半歩前に出すと、床でぴちゃっと音がした。どうやら床が水浸しになっているようで、確かめるように両足を動かしてみるとぴちゃぴちゃという音だけが静けさの中に響く。どうなっているのか状況のつかめない不安感におそわれたとき、僕の前方でぴちゃっという音がした。ただそれだけである。ただそれだけなのに、僕は汗だくで目を覚ました。どんなホラー小説よりもぼくには怖い夢だった。この夢は高校生のときに一度見たきりだが、これ以上怖いと思った夢にはあれからおめにかかっていない。
もちろん楽しい夢もよく見る。楽しいと言うか、たいていシュールな内容が多い。空を飛ぶ夢もよく見るのだが、この話は長くなるので次回にしよう。なぜなら飛び方が3通りもあるからだ。


As I Call You Down/Fistful Of Mercy

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ジョージ・ハリソンの息子、ダーニ・ハリソンが、ベン・ハーパー、ジョセフ・アーサーとやっているユニットの映像がYouTubeに上がっていたので、早くアルバムが出ないかと心待ちにしていたのだが、ついに発売された。グループの名前はFISTFUL OF MERCY。「にぎりこぶし一杯の寛容」とでも訳せばいいのか。
実にまじめなアティテュードを感じるかっこいいネーミングである。
彼らのこのAS I CALL YOU DOWNというアルバム、それぞれのソロ作品の寄せ集め的なのかと勝手にイメージしていたら、見事にうれしく裏切られた。なんと全曲が共作、しかもほとんど全曲を、まるでクロスビー、スティルス&ナッシュのように、3人でハモっているのだ。そしてどの曲もとても切なくて、この秋から冬の季節の流れにかなりシミてくる。決してバカ明るいアルバムではないけど大推薦。もっとベン・ハーパー色が強い仕上がりではという期待も見事にはずれ、ちゃんとジョージ系のビートルズの香りがするのがうれしい。いきなり二人のベテランと互角に組んでしまったダーニの将来が楽しみである。

やっぱりハーモニーはいい。僕は黒沢君とuncle-jamを組むまで、こんなに曲の頭から終わりまでベタっとハモるなんてバンドをやりたくてもやれずにいた。ひとりひとりはちがう声なのに、ハモると二人の声がミックスされた第3の声質とでもいうのか、1+1が2ではない、新しい世界が生まれることを、僕は最近になってuucle-jamで知った。ひたすら相手との呼吸を合わせながら歌って、互いの声が共鳴しあうときの快感は何にも代え難いものだ。Fistful Of Mercyのアルバムはさらにその気持ちを強くさせてくれた。