お互いを必要としているのはパートナー?AI?
※画像はお借りしているものです。
初めてシアーシャ・ローナン観たのは『つぐない』だっけな。
その後、順番は覚えてないけど『ラブリーボーン』、『ハンナ』
、『ビザンチウム』、『レディ・バード』とかいろいろと観た。
よく透明感のある役者さんという言い方をするけど、彼女を見て初めてその意味が分かったんだよな。
透明感ってこういうことか!
マジで透き通って体の向こう側が見えるんじゃないか?と思った。
とにかくおれの中では他の役者さんとは一線を画してる人なのだ。
もちろんファン、彼女が出演んしてるSF映画ということで興味シンシン。
観てみた。
難しい映画だった。
おれ、理解力が乏しいんで2回観てやっと理解できた。
舞台は2065年、環境汚染によって地球に住むことが限界に来ていた。
田舎で農業を営む夫婦ヘン(シアーシャ・ローナン)、ジュニア(ポール・メスカル)、夫婦関係は冷めきっていたが5世代にわたり農業を営むジュニアは稼業を継続することを願うが、妻ヘンは今の生活から離れたいと思っていた。
ある日、政府役人のテランス(アーロン・ピエール)が訪ねてきて、ジュニアが宇宙ステーションへの人類移住プログラムのサンプルとして招待されたと伝える。
それは、2年間に渡り宇宙ステーションで生活する実験をし、その間妻ヘンの元にはジュニアの容姿そっくりでジュニアの思考や記憶を埋め込んだAIがあてがわれ、ともに生活をするという。
しかしジュニアは旅立ちの直前で宇宙ステーションに行くことを拒否し、地球に残りヘンとの関係も修復しようとする…
おれが生きているうちが大丈夫だろうが、近い将来、人類が地球に住めなくなることは間違いないと思う。
じゃあどこに住むかというと、よく言われるのが火星だが、別の惑星となるといくらテクノロジーが進化しても現実的じゃない。
そうなると宇宙ステーションという案のほうが現実的で、その実証実験をするというのも考えられなくもない。
まあ今の科学技術だとちょっと厳しいだろうが、AIが誰かの代わりとして生活するというのは十分にあり得ると思うんだよ。
AIが誰かの代役ってものすごく抵抗があるかと思うんだけど、最初のテクノロジーは誰でもそんなもんだ。
おれはスマホや電子決済にすごく抵抗があったけど、今じゃなくてはならないものだ。
ジュニアが地球を離れる2年間はAIが妻ヘンと生活することに激しく拒絶感を感じることはものすごく理解できる。
ここから先はネタバレになるが、淡々と語られる前半から一転、衝撃的な事実がわかる。
宇宙ステーション行きを拒否したジュニアは地球に残りヘンと生活を続けるが、実はジュニアは過去に宇宙ステーションに旅立っており、地球に残ったジュニアこそがAIだったのだ。
本物のジュニアの帰還とともにAIジュニアは回収となるが、
AIジュニアを愛し始めていたヘンは本物のジュニアを受け入れられず家を出る。
そして本物ジュニアにはAIヘンが当てがわれる…
これを「人間扱いされずに最後には回収されてしまうAIジュニアはかわいそう」と取るか、「2年ぶりに宇宙ステーションから地球に戻ったのに、妻ヘンは代役AIを愛していてかわいそう」と取るかによって感じ方が大きく変わる。
かわいそうなのはAIか人間か、いずれにせよ相当やり切れなくて胸くそ悪い。
夫婦間だけではなくすべての人間関係には微妙な力関係があって、どちらかが少なからず我慢をしているわけだ。
それがAIとなると相手が嫌がることはしなくなるわけで、とても心地よい存在になることは明白だ。
まあ、宇宙ステーションでの生活の実証実験ってのはわかるけど、なんでその間に代役を立てるのかはめっちゃ不自然だ。
ヘンがAIを愛してしまうのは必然のような気がするので政府の本当の目的は地球からの移住実験ではなく、人間とAIの生活だったんだろうか…
考えすぎか。
この映画を観た理由の大部分はシアーシャ・ローナン出演なんだけど、さすがにかつて感じたような透明感は無くなっていたがやっぱり好きだわ。
鑑賞メモ:Amazonプライム






