60歳台の乳がんの患者さん.
トリプルネガティブ(以降トリネガ),
腋窩リンパ節転移累々・・
多発脊椎転移,骨盤骨転移・・・
都内大学病院で,トリネガ乳がんなので抗がん剤の効きは
限定的だから「あとは緩和」にしましょう,となった.
年齢もまだ若く,日常生活は自立しているため,知人医師から
なんかやれないでしょうか?と当院に紹介となった.
大学病院のエビデンス至上主義のエビデンス脳症Dr.
とはいえ,随分あっさり見切りをつけたもんだと,
話を伺いながらもチョット驚き.
「トリネガなんですけど,効く薬ありますか?」は,
トリネガ乳がん患者さん達の当院外来での共通の問い.
当院では,トリネガ乳がんを,単にがん細胞の表面に
ホルモン受容体・HER2蛋白が存在しないだけだよね〜,
・・くらいの存在にしか捉えておらず,あまり気にしない.
まぁ,それらの特徴を持つ乳がんでは,標準治療の薬剤使用
の範疇で治療効果が限定される,というだけの話なのだが,
これは,治療がない・できないということではない.
ならば,個々の患者さんで,感受性のある薬剤を探れば
いいだけの話だ.
当院独自の考え方・解析で薬剤選出し,
薬剤の組み合わせは,漢方の生薬の調合法を応用する.
その患者さんのがんを構成するがん細胞の多様性と
薬剤の対応・組み合わせが巧くフィットすると,
各々の薬剤は極めて少量使用で疾患制御が可能.
現在,
パクリタキセル 15mg/body
ベバシズマブ 100mg/body
アドリアシン 2.5mg/body
アフィニトール 2.5mg錠 1T1X1日分
を10日毎投与 (自費診療)
(※本内容は,この患者さんの治療レジメンであり,
当院のトリネガ乳がんのレジメンというわけではありません.)
腫瘍マーカーのシフラが118.7→50と減少.
累々と腫れていた腋窩リンパ節転移は縮小して,
右腕の圧迫感は軽快し可動しやすくなった.
仙骨・右大腿骨の骨転移は縮小.
そして,副作用なし.
患者さんは,いたって元気.
患者さん,治療は効いているし,副作用ないしで嬉しい.
知人医師,紹介して良かったと嬉しい.
私も結果が出て嬉しい.
皆ハッピー.
Think different.
トリネガだからと悲観無用.普通に頑張れますぞ.